表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
569/820

恋人たちの聖地④

 母校は今年も全国大会の切符を手に入れ、私たちOBはここで一旦手を引くことにした。

 あとは現役世代で、自分たちの世界を作り上げることが大事。

 部長の今川さんには、困ったことがあれば直ぐに応援に駆け付ける事と、日曜日のお昼には、いつもの河原で練習しているから遊びにおいで、と言っておいた。

 夏休みを過ぎて、ようやく大学にも慣れて来て、友達も増えた。

 実を言うと夏休み前までは、あまりクラスの人と仲良く話をしたりすることが少なくてつまらない思いをしていた。

 いわゆる”ぼっち”だ。

 もっとも、休憩や昼食、お昼休みなどはいつも江角君と一緒だったから、私の方から関係を疎遠にしていたのだと思う。

 最近友達に良く聞かれるのは、江角君の事。

 やっぱり人気がある。

 よくよく話を聞いてみると、イケメン男子にまとわりつく女子と言うことで、結構警戒されていたことも教えてもらった。

 たしかに他人から見れば、左程美人でもない私みたいな女の子が江角君にベッタリなのは不思議がられるのも無理はない旨を伝えると、そうではないと言われた。

 では、なんでみんな警戒していたの??

 それは予想もしなかった理由。

 思い出すだけでも、顔が真っ赤になってしまうし、こんなの日記に書いて誰かに読まれたら恥ずかしくて死んじゃいそう!

 みんなが警戒していた理由が、男女ともにイケメン彼氏の居る“謎の美少女”ってことで、近寄りにくかったなんて言われて、もう恥ずかしくて誰にも言えない。

 だって、そんな風に言われたのは初めてだし、美少女なんてとんでもないのに、仲良くなった途端“ミスコンに出ろ”だなんて男子たちに言われるし、ちょっとしたアイドルみたいに見られていたなんて生まれて初めて。

 そして、女子たちからはいっぱい江角君の事を聞かれてしまうし、学園祭で江角君を市大名物の“女装コンテスト”にエントリーさせようとか言い出す始末。

 でも、自分の事は聞いていて恥ずかしかったけれど、江角君の事だと何故か聞いていて楽しくてウキウキした気分になるのが我ながら可笑しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ