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青い夏の日⑨

「あれっ。鮎沢さん、食細くない?」


 コバに言われて、皆が私の取り皿を注目する。


「たしかに、野菜は乗っているけれど、肉がない」と、覗き込む京子ちゃん。


「もっと肉喰わねぇと、立木みたいに太れねえぞ!」と、囃し立てる伊藤君。


「誰が太っているって?」怒る里沙ちゃん。


「いや……だって、婚約者の茂山さんの前で、言えないだろ……その・きょ…きょにゅ■」


 伊藤君の口を江角君が抑えて、言葉を遮って「バカかお前は!」と怒ってくれて、あとは伊藤君が、茂山さんと里沙ちゃんに謝って、皆の笑いを誘っていた。

 とんだ騒動のおかげで、私が殆どお肉を食べていないことが話題になる事は無くて助かった。

 特に菜食主義者と言う訳ではないのだけれど、家畜として飼われている動物の事を思うと可哀そうで胃が痛くなる。だって、彼らは二〇年前後ある寿命なのに、産まれて3~4年で人間に食べられるために死ななくてはいけないのだから。

 私一人が抵抗しても、何もかわらない事くらい分かっている。

 もしも日本が昔そうであったように、獣を食べない国になったとしても、どこかの国で人々は獣の肉を食べ続けるだろう。

 生きて行くために必要な物だから。

 お皿に乗っていた鶏肉を一粒に切ってロンにあげる。

 ロンは本当に嬉しそうな顔で私を見て、それをパクっと口に入れた。


 それでいい。変に気を回さないで、提供された命の欠片を喜んで食べる。

 そして食べた物を役に立てて、身につけることが大切なのだと思う。

 動物たちは、そのことを確りと知っているのだ。

 だから、こうして美味しそうに食べてくれる。

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