55/846
真夏のクリスマス⑥
ドアを引いて、隙間ができた途端にロンは私の横をすり抜けて店内に入っていこうとする。
ちゃんとリードはしているけれど、私の目で確認できない先に行かれて慌ててリードを強く引く。
引いた力でロンよりも私のほうが前のめりになってしまいドアの向こう側にいた人にぶつかりそうになった。
「すっ、すみません!」
「大丈夫ですよ。いらっしゃい!」
大きな人だった。
しかしどこか見覚えのある顔……。
私が考えている間に、ロンはその大きな男の店員さんに甘えていた。
それに気が付いて慌ててロンのお尻に手をやってお座りさせた。
「すみません、なれなれしくて」
お店に入ってまだ1分も経たないというのに、もう2度目の「すみません」。
なんだか先が思いやられると、思っていたとき大きな店員さんが言った。
「構いませんよ。それにしてもよく覚えていてくれたなあ、ロンありがとうな!」
「えっ!?」
私は改めて目の前の大きな男の人を見上げて驚いた。





