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月のなくなった夜⑪

 京子ちゃんの家を訪問してからほどなくして、今日は京子ちゃんが我が家に訪ねてくる日。だから駅まで、お出迎え。

 もちろんロンは私の用心棒として連れてきた。

 だって、駅前に美人が二人も揃うとナンパの的になるでしょ♪

 なぁ~んて、私はそうでもないけれど、京子ちゃんは美人だから直ぐに彼等の標的にされそう。

 でも、ロンを連れて来ているから駅の構内には入れないので、駅前の空いたスペースから京子ちゃんを探す。

 急に、駅に向けてロンが引いたので見ると、京子ちゃんが出て来たところだった。

 相変わらずロンは目が良い。

 いや視力は悪いはずだから“鼻が利く”と言った方が正解かしら。

 まあ兎に角ロンは美人を見つけ出すのが早いのだ。こいつめ!

 外では吠えないように、しつけてあるので、代わりに私が声を掛ける。

 大声で名前を呼ぶのも、はばかれるので、ここは声が遠くまで飛ぶように口に手を上げて「ヤッホー!」と叫ぶ。

 駅の周りを通る人たちが一斉に私を振り返り、恥ずかしい思いをしてしまった。


「もう。ロンのばか!」


 意味もなくロンに八つ当たりしたら、お座りをしていたロンが首を上げ“どうしたの?”って言う目で私の事を見つめてくる。

 そう。確かに君は少しも悪くない。

 悪いのは、八つ当たりした私。

 だから私は腰を降ろして、後ろからロンに抱きついて頭をヨシヨシと撫でて謝った。


「んー。相変わらずアツアツね」


 丁度そこに京子ちゃんが来たものだから、パタパタと激しく振る尻尾に跳ねのけられてしまう。

 駅前を出て一緒に家に向かうときも、ロンは何度も京子ちゃんを振り返り愛想を振りまいて、京子ちゃんもそれに応えるように「ロンちゃん」と呼んでいた。


“なんだか私って、お殿様の乗る馬の手綱を引く家来みたいじゃない”


 少しだけそんなことを思いながら歩いていると、直ぐに家に着いた。


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