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ロンの病気④
先生は首をひねって考えていた。
原因が分からないのだろうと思って、私はなるべく些細なことも話すべきだと思って考えた。
「空き地に寄りました」
「空き地?」
先生が身を乗り出して、どんな空き地か詳しく話すよう促した。
「普通のどこにでもある只の空き地で、ロンが興味をもって入って行くと奥にスキー板がありました」
「スキー板は、他の物で見えなかったの?」
「草で隠れていました」
「雑草?」
「はい」
「高さは?」
「私の膝くらいの高さです」
「枯れていましたか?もしくは枯れかけていましたか?」
「見た感じですが、青々としていたと思います」
「ロンは、その草を口に入れましたか?」
「食べてはいませんが、しきりにスキー板の臭いを嗅いでいました」
問診中に女の先生が血液検査のデーターを先生に見せて、何か治療について話してから女の先生は準備のため部屋を出て行った。
先生が原因と治療について話してくれた。
「おそらく毒物による中毒症状で急性肝炎を起こしています」
毒物と言う言葉に体が一瞬凍り付いた。





