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新しい生活⑪

「ゴメン。遅くなってしまったね」


「ううん、大丈夫よ」


 暗がりで江角君の顔を見上げていると、鎌倉でのファーストキスを思い出してしまう。

 だって、あれから一度もキスしてくれないんだもの。

 目が求めそうになるのを必死で堪えて俯く。

 茂山さんと付き合いながら、そういう色を微塵も感じさせずに凛としていた里沙ちゃんと違い、ひょっとしたら私って凄く“ふしだらな女”で、バカップルの素質があるのではないだろうかと思うと情けなくなる。

 大学の正門を出て右に曲がると直ぐに駅に着く。

 なのに、江角君たら正門を出ても踏切を真直ぐに行こうとする。


「江角く・ん……」


 戸惑って声を掛けると「ちょっと、寄り道してもいいかな?」って返されたので「うん」と答えた。

 踏切を渡って真直ぐ行けば、直ぐ大型ショッピングモールに着く。

 だけど江角君は、踏切を渡ると直ぐに右の道に入って行った。

 この先にあるのは……“ケンタッキー!”

 そう言えば最近ご無沙汰していた。

 しかし江角君が向かったのは、ケンタッキーではなくてシーサイドラインの金沢八景駅。

 たしかにシーサイドラインでも根岸線の新杉田で乗り換えれば横浜に着くけれど、もしかしたら医学部に何か用事でもあるのだろうか?

 それにしても京急線には県立大学と言う駅があって、シーサイドラインには市大医学部駅がある。

 そう言えば瑞希先輩の通っている大学も駅名に大学名が使われているし、マッサンの大学もそう。

 こんなに駅と大学が近いのだから大学名を駅名に使っても良いのにと、駅名になっている大学が少しだけ羨ましい。

 と、よそ事を考えている間に、いつの間にか隣に居たはずの江角君が居ない。

 あろうことか、まさかの“おいてけぼり”?

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