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新しい生活⑩

 今日はゼミの説明を受けた。

 学部は違っていても、意外に江角君の医学部と同じゼミを受ける機会が有るってことが分かった。

 ゼミは年に一回だけの授業ではなくて、何回かある。

 だから、それを受ける時間を合わせておけば、学部の違う江角君とでも同じ授業を受けることができるのだ。

 それに必須ゼミの他に、個人で自由に選ぶことができるゼミもあるので、これも江角君と相談して決めよう。

 私が、そう思っているところに突然携帯が鳴る。

 画面の文字は“江角くん”

 もーっ。折角こっちから掛けようと思っていたのに。

 通話ボタンを押す前に、一度咳払いして好い声が出せるように努めてから慌ててボタンを押す。

 話の内容は、ゼミの時間合わせと選択ゼミをどれにするかの相談。

 私の思っていた事と同じことを江角君も考えてくれていたなんて、幸せ過ぎる。

 早速、授業が終わったあと食堂で相談して決めた。

 ゼミを合わせていて、つくづく思う。

 それは江角君と、このキャンパスで過ごせるのは一年の時だけと言うこと。

 二年から医学部の生徒は、附属病院のある福浦キャンパスに移る。

 今現在、特に目標がなかったのだから私も医学部にすればよかった。

 と、心では思ってみたが、手術なんて出来っこないし、第一ハイレベルで有名なここの医学部入試なんて私の成績では門前払いされるのが落ち。

“一緒に吹奏楽部を頑張ってきて、私だって結構勉強も頑張っていたつもりだったのに”と、江角君と私の能力の差に思わずため息が出てしまう。

 大学を出るころには、もう暗くなっていた。


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