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新しい生活⑥

 美樹さんは、捨てられた動物の心をケアすることと、研究するためにニュージーランドの大学に進んだ。

 里沙ちゃんは茂山さんと結婚して、お店を手伝うため調理師学校へ、伊藤君・コバ・美緒の三人はお年寄りや体の不自由な人を助けるために福祉系の大学だし、江角君は家が開業医だから医学部へ。

 それに比べて、私には将来の目的なんて何にもない。

 東京オリンピックがあるからとか、これからは国際化の時代だからとか漠然とした理由。

 高校時代は、それなりに勉強する理由があった。

 それは、まだ見えない自分の将来像に対して多くの選択肢を持つために勉強する。

 色々な学力と知識を身に着けて良い大学に入れば、それだけ将来携わる職業が選びやすくなると思ったから。

 例えば大学出てない、テレビ局のアナウンサーなんていないでしょ。

 それに比べて東京大学なんか出ると、どんな職業にでも就ける。

 そんな風に思っていた。

 でも、屹度それは間違い。

 一番重要なのは、自分が何になりたいか知る事。

 そして、なりたい自分のために努力を惜しまないことだと思う。

 もちろん、良い大学を出るというのも、その努力を手助けするアイテムのひとつであることは間違いないのだけれど。

 ガタゴトと揺れる電車の中で、そんなことをずっと考えていた。


「千春、どうしたの?さっきから窓の外を黙って見ているけれど」


 里沙ちゃんに声を掛けてもらい目を向けると、そこにはまるでお姉さんのように優しい笑顔の里沙ちゃんが居た。

 抱きついて甘えたいほど今の私の心は頼りない。


「ううん、なんでもない」


 そう言って里沙ちゃんの手を取って握る。


「そう?ならいいけれど」


 里沙ちゃんはそう言ってから、今学校で習っている事を楽しく聞かせてくれた。

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