新しい生活②
白色に塗られた校舎に大きな池まである庭は、これまでの学校のイメージと違いモダンで開放的、正にキャンパスと呼ばれるのに相応しい雰囲気。
学生全員が私服なのは小学生のときと同じだけど、年頃の男女が着る私服はセンスも色々で自由に溢れている。
外観だけでなく教室や廊下も洗練されていて、これまでの学校のイメージと違いまるで日本ではない所に迷い込んだ印象を受ける。
「あんまりキョロキョロして道に迷うなよ」
江角君が、そう言ってポンと肩を叩いて分かれて行った。
たしかにキョロキョロして歩いていたら迷いそう。
でもロンを連れ来たら、さぞ喜んでくれるであろう風景に心がときめく。
結局、自分のクラスへどう行けばいいのか分からなくなってしまい先輩らしき人に聞いて、やっとの思いで教室に辿り着いた。
教室では講義日程や、その講義の受け方、単位認定など授業の進め方を説明された。
今まで、朝学校に着いて流れるように授業を受けていたのと違い、自分で授業を受ける時間や進め方を選択するやり方に驚く。
それに、ひとつの授業時間が長い事も。
クラスのみんなで自己紹介をしたときも、県外から多くの人が来ていることに驚かされて、新しい大学出の一日はカルチャーショックの連続でクタクタになった。
そのおかげで帰りの電車では疲れたことを理由に、空いていた電車で江角君の肩にもたれて幸せな気分のまま寝てしまい、駅に着いた時も優しく起こしてもらった。
家に帰ると、屹度色々な新しい匂いが付いていたのだろう、ロンが容赦なく臭いを嗅ぎ検閲してナカナカ放してもらえなかった。





