新しい生活①
長い春休みを終えて、大学が始まる。
小学生以来の制服を着ないで通学する姿にロンが遊びに行くのと勘違いして、自分も連れて行ってもらえるものと思い大喜び。
たしかに普段着を着て外出するときは、どこに行くにも先ず散歩に連れ出してから出ていたのでロンの気持ちは分かるけれど、でも朝にお散歩行ったでしょ。
結局ロンが、あんまり嬉しそうにするものだから家を出る前に軽く近所をお散歩するようになる。
この時間だと、早起きが苦手な足立先輩もラッキーと庭で遊んでいて、一緒に遊ばせてもらう。
それから家に戻り、ロンに朝ご飯をあげてから学校に向かう。
電車には同じ大学に通う江角君と、横浜の調理専門学校に通う里沙ちゃん、伊藤君と美緒それにコバは私たちの大学より少し遠いけれど同じ路線だから、六人で賑やかな通学電車になる。
車窓から見える木々の緑も美しく、一時間半の通学電車もチョットした遠足気分。
大学のある駅に着き、伊藤君たちと別れて駅舎を出て隣に森を見ながら進むと直ぐに大学が見えて来た。
これから四年間ここで学び、それから社会へと飛び立つ。
四年という長い期間を置いて、私はどのような大人になっているのだろう。
そう思うと、大きな希望と少しの不安で武者震いがした。





