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星空のセレナーデ⑫

 夕食が終わり、いよいよ待ちに待った“星空の音楽会”

 この日のために各自練習してきた曲を披露したり、同じ曲をリレーで演奏したりして、いつもの部活動では味わえないエンターテイメント的な楽しさがあった。

 途中、演奏を終えた里沙ちゃんが隣に座り、ふたりで仰向けになって星空を見上げた。


「標高が高いから星が綺麗ね」


 私が言うと、里沙ちゃんは「うん」とだけ答えた。


「ゴメンね。いつも傍に居るのに気が付いてあげられなくて」


 今更ながら、皆が気が付いている中で、ひとり気が付かなかったことを詫びる。


「ううん。千春がいつものままで居てくれたから、ここまで来れたの」


 話を聞いていると、スキーのときに気が合って直ぐに仲良くなり、里沙ちゃんが誘って映画や遊園地に行くようになる。

 最初は茂山さんも楽しそうだったけれど、ふたりの関係に気が付いた中学時代の恩師“持田先生”の奥さんの“吹子さん”に注意された事と、大学生と中学生という歳の差も気になって次第に壁を作ろうとしたそうだ。

 会う機会が少なくなった茂山さんに会うために、あの喫茶店に私を誘ったのもこの頃。

 

「えー。私ダシにされたの?」


「ごめん。そう言うんじゃなくて、千春と楽しく過ごしている時間を茂山さんにも見ていてもらいたいって言うか……わかる?この気持ち?」


「んー、なんとなく。仲の好い友達を家に連れて来て、お母さんに自慢するみたいな?」


「そう、そう。それ!」


「でもね、私が未成年だから色々あったのよ。そんな時でもいつも変わらずに居てくれる千春が居てくれたから彼も結婚に踏み切ってくれたの」

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