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星空のセレナーデ⑪

 なんとか無事に夕食を済ませることも出来た。

 後片付けのときに里沙ちゃんの様子が気になって見ていると、茂山さんが来て、いつものようにどちらからともなく自然に近づいて、自然に会話して、自然に笑う。

“結婚”の話を聞いた今でも、私には二人が未だ兄妹か従兄妹のようにしか見えない。

 そう言えば三年前の夏に、里沙ちゃんが茂山さんとここに来た時“皆に説明するのが面倒だから従兄妹と言うことにしておいて”と、言ったのを思い出す。

 あの頃からずっと変わらずに付き合っていたのだと思うと、早く気が付いてあげられなかったことを後悔する。

 もっと早く気が付いていれば、練習に明け暮れていた日々に巻き込むこともなかったかも知れない。

 

「なるようになるんだって!」


 いつの間にか傍にマッサンが来て、そう言った。


「なるようになる?」


「そう。周りがどんなに気を留めてあげても、結局恋人同士の気持ちは当事者同士にしか分からない。だから、いくら外野が気を聞かせても“なるようにしかならない”」


 マッサンは、そう言って里沙ちゃんと茂山さんを黙って見ていた。

 

「鮎沢も頑張れよ」


 不意に言われて、何のことか分からず、驚いた。


「俺もズット鮎沢のこと見ていたから分かる。あいつは気難しいところもありそうだけど、基本的に無邪気で子供みたいなやつだから確り見てあげて」


 マッサンの視線は、いつの間にか江角君を捉えていた。


「ハイ」


 恥ずかしかったけれど素直に頷いた。

 それにしても、ずっと私の事を見ていたって、さすが元副部長だと感心していると、何故かマッサンに顔を覗かれて笑われた。

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