表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
446/820

星空のセレナーデ⑤

 バーベキューを楽しんで、その片付けも終わり草原に寝転んだ。

 三月の未だ芽生えて幾らも経たない草は、柔らかくて気持ちがいい。

 受験勉強に追われていて、久し振りにのんびり横になる。

 しかも自然豊かなキャンプ場の草原。

 私が横になると、足立先輩たちに遊んでもらっていたロンが一人でやって来て私の横に寝転んだ。

 最初は、お行儀よく伏せの姿勢。

 私が頭を撫でているうちに徐々に姿勢が崩れて横になる。

 遊び疲れたのだろう、その精悍な目がトロンと眠たそうになる。

“寝ていいよ”そう言うと確りした瞳で捕らえられるのは分かっていたので、ロンと目を合わせたまま私は目を閉じる。

 暫くそうしてから、ゆっくり目を開けるとロンは目を閉じて気持ちよさそうに眠ってしまった。

「いっぱい遊んだね」

 そう言って軽くおでこを撫でると、気持ちよさそうに寝息を立てた。

 微かに吹く風が新緑と雪解け水の冷たさをとどけてくれて心地良く、いつの間にか私も寝てしまう。

 カシャカシャと草を踏む音が近づいてきて、私の横でその音が横に広がる。

 誰だろうと思いながら、気持ちよさに負けて瞼を開けられずにいると、横からもスースーという寝息が聞こえてきた。

 屹度、里沙ちゃんだ。

 里沙ちゃんは、なにかを私に伝えるために来たのに違いない。

 だけど今は、目が明かない。

 起きてから、ゆっくりね里沙ちゃん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ