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さようならロン。また会う日まで。  作者: 湖灯


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美樹さんの秘密⑤

 美樹さんは高校の頃から動物が好きで、大学でも専攻は理学部生物学科。


 大学に入学するまでは好きな動物のことを学んで、中学か高校の理科の先生になれればそれでいいと思っていて、入学時は2年生か4年生くらいの時にイギリスなんかにちょっと遊び程度に留学したいと思っていた。


 ところが友達に誘われてラクロスのサークルにマネージャーとして入ってから徐々に考え方が変わった。


 その原因が兄との出会いであり、私とロンとの出会いだった。


 まずサークルに入った途端兄に一目ぼれしてしまい我ながら単純すぎると思っていると、夏休みにサークル全員でキャンプに行ったとき、その一目ぼれの相手から入部した時から好きだった。


 つまり一目ぼれだったと告白された。


 美樹さんが動物が好きなこともあってか、兄の話は私とロンのことが多くて、その話にすごく興味を持ち「会いたい」と思ってくれていた。


 そして偶然花火の夜に私たちに会い、ロンが私を守っていたことを知る。

 兄に頼んで出かけた体育祭では、ロンが困った私を助けるところを見た。

 スキーの時も。


 兄の話を聞いていた時分から、遊びの留学ではなくてちゃんとした勉強のための留学ができたら良いなと思っていたけど、実際にロンと私を見るようになってから真剣に考えるようになり、そして我慢ができなくなった。


 生物学だってせっかく入ったわりには将来的な就職先なんて少ないのに、美樹さんはさらに海外に出て「動物心理学」を学ぶそうだ。


 おもに学びたいのは動物と人との精神的な相互関係と動物ペットの福祉環境など。

 こと、ペットの福祉環境に対しては日本は断然遅れている。


 美樹さんから、そのことを聞かされて『私たちって特別じゃないよね』とロンと私は目を見合わせて思っていると「そうそう。そういうところなの!」と笑われた。


「別に千春ちゃんとロンだけが特別だとは思わないの。犬が大好きな人間と、その飼い主が大好きな犬が出会えばどのカップルでも千春ちゃんとロンのような関係は築けると思うの。でも、それがなぜかが知りたいの。私は動物は好きでもペットを飼った経験がないから」


 そんなことを美樹さんは話し、帰って行った。


 今こうして部屋で勉強をしている。

 私の椅子の後ろには当然のようにロンが退屈そうにしている。


 ロンが家に来て、ロンと私にさまざまなことがあり、それを兄が美樹さんに話す。

 ロンから始まった物語は、いつの間にかお互いを引き寄せて……。


 そして美樹さんは去って行く。


 私が後ろのロンを振り返ろうとしたとき、ロンは既に私の膝のところまで来ていて、お互い寂しそうな顔で見つめ合っていた。

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