最高の輝きに向かって⑥
次の日、部室で皆がそろったところで持田先生と中村先生から話があった。
自由曲の変更を告げられたとき、ほとんど部員全員が騒めいたけれど、今年の目標が金賞狙いと言うことで全員承諾してくれた。
そして、その自由曲の発表。
私たちが自由曲に選んだのはチェザリーニの交響曲第一番“アークエンジェルス”
発表した時、少しざわついた中で一年生のクラリネット担当の堀江君が練習に着いていけなくなる部員が出ることをどうするのかと聞いてきた。
江角君が「堀江は大丈夫なのか」と聞くと「僕は大丈夫です」と堀江君が不承不承に応える。
「では、大丈夫だ」と江角君。
その言葉に不満を覚えたのか堀江君が、それはどういう意味かと気いたところ、江角君は“教えなくて済む”と答えた。
そして練習はその日から混乱を極めた。
初めての楽譜。
難易度の高い曲。
短い習得期間。
戸惑うのも無理はない。
アークエンジェルスのグレードは六。
これまで練習してきたシャイニングロードのグレードは四。
二つもグレードが上がったのだから。
翌日からOBの応援も盛んになった。
山下先輩に足立先輩をはじめ大泉先輩・斎藤先輩・鈴木先輩など木管大戦争のときの三年生と、瑞希先輩にマッサンや田代先輩たち旧二年生。
それと先輩たちの大学の仲間に、甲本君や伊藤君までも。





