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コンサート⑦

 その日は部活動を終えたあと、ハンター邸の女医さんから依頼を受けてこれから二つの編成でコンサートに向かう。

 一つは一年生の堀江君のクラリネットにサクラさんのフルート、二年生の今川さんのホルンと三年生のコバのファゴットに私のオーボエで、木管五重奏の編成。

 そしてもう一つは、一年生の加奈子さんと二年生の宮崎君のトランペットと高橋さんのドラム、そして三年生の里沙ちゃんのサックスに江角君のトロンボーンでのジャズ編成。

 なんとピアノは、あの美人女医先生が演奏してくれる。

 ドラムがあると、どうしても荷物がかさばるので茂山さんがいつもの車を用意してくれた。

 甲本君は、仕事が終わって夜間学校に行くホンノちょっとの時間だけだぞと言いながら高橋さんのドラムの積み込みを手伝ってくれている。

 華奢な甲本君と高橋さんを比べると、外見的には高橋さんのほうが少し大きく見える。

 二人の会話を聞いていると、なんだかギスギスした様に聞こえるけれど、嫌な感じではなくて逆にほのぼのとした安心感が伝わってくる。

 それを見ていた里沙ちゃんが、おそらく二人ともツンデレタイプなのだと笑っていた。

 甲本君は結局、ハンター邸でドラムを組み立てる所までやってくれてからバイクで学校に向かった。

 夏の日の夕方、丹沢から吹き下ろしてくる風が山々にある木々たちの、みなぎる生命力とセセラギの涼しさを運んでくれる。

 江角君と居たあの日のように、白いカーテンがフワッとそれに揺らされていた。

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