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ゲリラライブ①

 部活の帰り道、ハンター邸を通り過ぎて公営団地にさしかかったところで、団地の中にある公園のほうから音楽が聞こえてきた。

「なに?」

 直ぐに里沙ちゃんが興味を持って聞いてきた。

「生演奏だよね」

「みたいだね」

 あまり興味なさそうに返してしまう私とは逆に、里沙ちゃんは興味津々。

「ねぇ、行ってみようよ!」

「駄目だよ。危ない人たちかも知れないし」

 部長としての立場で断る私の言葉が気に入らない里沙ちゃんは、一緒に歩いていた今川さんや高橋さん、加奈子さん、それにサクラさんに同意を求める。

 だけど四人とも興味はあるみたいだけど、警戒心のほうがやはり強くて言葉を濁していた。

「おーい!」

 業を煮やした里沙ちゃんが、後ろから歩いて来ている江角君たちに手招きして呼ぶ。

「そんなに大声で叫ばなくても、お前らが止っていりゃあ直ぐに追いつくだろうが」

 相変わらず江角君が、ぶっきらぼうに答える。

「路上ライブだよ!見に行こうよ!」

 興味のなさそうな江角君の言葉なんて無視するように、里沙ちゃんはワクワクが抑えられないようにオネダリする。

「大体、平日の団地内の公演だろ。違法ライブだよ」

「それにロックだし、おっかないよ」

「全国大会を目指すのなら、なるべくトラブルの種になるような事からは避けた方が良いですよね」

 江角君と一緒に歩いていたコバたちからも賛同は得られない。

 特に最後に今川君が言った言葉は、里沙ちゃんはもとより私たちも充分納得できた。

 確かに、大きな大会を目指すのなら、やらなければならない事と、やってはならない慎むべき事がある。

 里沙ちゃんがようやく諦めかけてくれた矢先、なにを思ったのかフラフラと公園のほうに近づいて行く影がひとつ。


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