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晩秋から春へ⑦

 参拝するときも京子ちゃんと並んで拝んだ。

 拝み終わると「いま、何お願いした?」って聞かれたけど、願い事を人に言うと叶わなくなるって聞いたことがあるから「ないしょ」と答えると、京子ちゃんは何か勘違いしているらしく「キャー」と驚いた顔を見せて笑う。

「千春ちゃん可愛いからモテるんでしょ?いいな共学」

 私の願い事を恋愛と勘違いしている。

 本当は、部活の事なのに。

「京子ちゃんは何てお願いしたの?」

 自分のことは話さなかったけれど、なんとなく京子ちゃんが聞いてほしそうな顔をしているように見えたので聞いてみた。

 すると京子ちゃんは急に顔を真っ赤にして「ないしょ」って言うと、私の腕をグッと掴んで抱きしめた。

「おみくじ、しよ!」

 瑞希先輩の良く通る声が聞こえて、みんなおみくじを引きに行く。

 私も、おみくじの所に行き、このとき久し振りに京子ちゃんが私から離れた。

「なんか、スゲー懐かれてんな」

 横を通りかかった江角君が、おみくじを引いている京子ちゃんを見ながら言う。

「うん」

 いつも見ていないようで、私の事を見てくれている江角君の言葉が嬉しかった。

「いっしょに引きに行こ」

 思わず江角君の手を取って言ってしまう。

 どうやら、古矢京子に酔ってしまったみたい。

 江角君はチョット驚いた顔をしていたけれど、直ぐに「今年も良いの引くぞー」と無邪気に笑っていた。

 おみくじを引くと、去年と同じ“吉”だった。

“対人関係に注意を払うこと”って書いてあり部長としての立場がまた憂鬱になる。

 江角君は何だったのか聞こうと持ったら、京子ちゃんが飛んで来て“大吉”だったと教えてくれ、しかも望み事は頑張れば必ず叶う。と書いてあり大喜びで抱きつかれた


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