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晩秋から春へ⑤

 お店の中に入った途端、中にいた里沙ちゃんに抱きつかれた。

 里沙ちゃんは朝からお店のバイトをしていて、パーティーの準備も手伝っていた。

 私たちは、それぞれの楽器とおやつ程度のお菓子や飲み物を持参していて、ケーキやお料理などは会費としてお店任せの考えで居たのが少し恥ずかしい。

 ドッグランに行って三匹を離すと、相変わらずマリーはロンの事を好きでいてくれて、ロンもマリーが好きで、それに割って入ろうと一所懸命なラッキーが笑いを誘うけど、少し可哀そう。

 ラッキーがあんまりしつこいのでマリーが怒って吠えたとき、ドアの開く音がしたので振り向くと、遅れていた江角君が伊藤君を連れて入ってきた。

 江角君は山下先輩と足立先輩に何やら謝っていて、伊藤君を呼び寄せ二人で何度も礼を言っているように見えた。

 青葉台吹奏楽部の集まりに、他校の生徒を連れて来たことを詫びていたのだろう。

 まあ聖夜なんだからこういうゲストも許されて良いのだと思う。

「さあ、はじめるよー」

 足立先輩の声で皆が集まり、茂山さんと里沙ちゃんが大きなケーキをテーブルに運んできた。

 テレビや芸能人のインスタなんかでしか見たこともないような、大きなケーキ。

 みんなで手分けしてキャンドルに火をともし、部屋の明かりを消して、きよしこの夜を一緒に歌う。

 まだ大晦日ではないけれど、この一年も色々な事があったと思い出しながら歌った。

 クラッカーを鳴らすとロンたちが怖がるので、それはせずに拍手で済ませ、茂山さんと里沙ちゃんがサックスでクリスマスソングを演奏して会は始まった。

 江角君のトロンボーンと今川さんのホルン。飛び入りの伊藤君と宮崎君のトランペットも参戦して、すごく楽しい。

 にぎやかなクリスマスには金管が良く合う。

 わたしたち木管は山下先輩とマッサンのクラリネット、瑞希先輩のフルートとコバのファゴット、それに足立先輩と田代先輩に私の三人のオーボエでのクリスマスキャンドルメドレーで対抗。

 ロンは優しいリズムが好きなのか、私たちの演奏になるとドッグランからこっちに来て、私の目の前に伏せをしてずっと聞いていてくれた。


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