表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
339/820

晩秋から春へ①

 学校からの帰り道、ハンター邸の前を通りながら瑞希先輩と話していた。

 副部長には江角君が着いたこと。

 中学のときとは逆。

「江角君には土方歳三になってもらうの」

「土方歳三?」

 たしか幕末の新選組に居た人だと、中学の修学旅行の時に里沙ちゃんから聞いたことがある。カリスマ的、副隊長。

「そう。副部長としてガンガン部員を、しごいてもらうわ」

「でも、それなら部長としてでも構わないんじゃ……」

「部長が部員から嫌われちゃ駄目でしょ。だから千春が部長なの」

「それじゃあ江角君が可哀そうです」

 実際、私は人に嫌われる勇気はないから、当たり触らずで何の取柄もない部長としては出来るかも知れない。

「鮎沢は屹度そう言うと思うけれど気にしないで、って」

「えっ」

 何のことか分からなかった。

「江角君にね、副部長を依頼した時に彼が言っていた言葉よ」

「江角君には相談していたんですか」

「もちろん。彼がこのポジションを引き受けるかどうかが、この人事の鍵だったから」

「鍵?」

「そう、鍵よ。江角君のほうも、それは分かっていたみたいで、私が相談しに行ったとき直ぐに受けてくれたわ」

 いつも分かりやすく説明してくれる瑞希先輩の言葉なのに、今日に限って意味が分からない。

「鍵って、なんですか?」

 私が聞くと、瑞希先輩は悪戯っぽく笑顔を見せて

「本人の口から聞いてみて、彼のほうが私より理解していたみたいだから」

 と、はぐらかされた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ