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再開⑤

 足立先輩は叱咤激励すると警察官みたいに敬礼して出て行った。

 そのあとを山下先輩がお辞儀をして出て行く。

 初対面で会った去年の印象では、山下先輩の下に足立先輩が居るのだとばかり思っていた。

 でも実際は、落ち込んで悩んでいる足立先輩をなんとかしてあげようと山下先輩は頑張っていただけ。

 そして、その足立先輩がいま私たちのために。

 退出して出て行く足立先輩と目が合ったとき「頑張れ」って目で言ってくれた。

 リハーサル室のドアが閉まる。

 直ぐに瑞希先輩のほうを振り向くと、瑞希先輩も同時に私のほうに振り向いてくれ、目が合う。

 私が何を問いかけたのか、自分自身分からないけれど瑞希先輩はチャンと「うん」と答えてくれた。

 次に江角君を探す。

 私を見ている視線のと、ぶつかる。

 江角君だ。

 江角君も同じように「うん」と答えてくれた。

 江角君と同じようにマッサン、コバ、宮崎君に今川さんたちも同じ目をしていた。

 それでようやく分かる。

 鶴岡部長から託された人たちと、その決意が。

「さぁ!今度はキッチリ行くわよー!」

 瑞希先輩の声がリハーサル室に広がり、私たちの答える声が、その声を呑み込む。

 手に持った楽器は、門倉先生の合図も待たずにキッチリ音を揃えて奏でていた。


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