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名古屋国際会議場⑪

 迎えのバスが来ると、急いで楽器を積み込んでホテルを出た。

 窓の外を眺めていると随分ビルと交差点が多くて、さすがに東京・大阪に次ぐくらいの大都市。

 だけど、この街は世界一を争う自動車メーカーがあるためか、工場が多くて緑が少ない。

 黒いアスファルトと灰色のビルの中を暫く走り交差点を曲がると急に道の雰囲気は変わり、道路の両端には緑の木々が植えられて、まるで緑のトンネルの中を進むよう。

 そしてそれを抜けると、目の前に大きな箱のような建物が見えて来た。

 全国吹奏楽コンクール全国大会の会場、名古屋国際会議場。

 何台かのバスが連なって駐車場に入って行く。

 今日、ここで共に競い合う仲間たち。

 勝ち負けは無い。

 ただ、自分たちがやってきた事を信じてベストを尽くすのみ。

 鶴岡部長が導いてくれた去年の全国大会は銀賞だった。

 それでも、我が校としては久し振りに駒を進めた全国大会で銀賞と言う結果を授かり、みんな大いに喜んだ。

 そして今年は二年連続の出場。

 去年より、ひとつ上。

 金賞が狙いたいとは誰もが思うもの。

 だけど、チームは去年と同じではない。

 三分の一は出て行き、そして新たにまた三分の一が入ってきて入れ替わった。

 出て行った三分の一の重さ。

 入ってきた三分の一の重さ。

 そして残りの三分の二は、チャンと階段を一段登っただろうか。

 二年連続の出場に浮かれてはいられない。

 私たちは常に試されているのだ。


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