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恋と音楽④

 なんとか話題を変えたいと思うものの、宮崎君はその純粋な瞳を私から逸らそうとしない。

 背丈は私より少し高い程度だし、男子としては華奢なスタイルと優しそうなルックス、それにいつも隣に今川さんが居たので余り男性として意識して見ることがなかったけれど、今は何故か強烈に男子を感じてしまう。

「もーっ!何言ってるの?今日の宮崎君チョットおかしいよ」

 いつもとは違う宮崎君の醸し出す雰囲気に圧倒されながらも、一学年上であるプライドに縋りついて返事を絞り出した。

 返事を返す事で視線を逸らすことが出来たけど、相変わらず宮崎君の瞳は私を捕らえて離さないでいる。

「鮎沢先輩は、僕の事嫌いですか?」

 胸がドキンと大きく鳴った。

 でも次に来るはずの頬の熱さは来ない。

 そして、その言葉をきっかけに、心が妙に落ち着いてきた。

「嫌いじゃないわよ。宮崎君は私の大切な仲間だもん」

「大切な、仲間……」

 俯きかけた宮崎君は、一瞬その瞳を私かの目から離したけれど、直ぐに顔を元の通り上げると今までより更に強い意志を持った瞳を投げつけて来た。

「ぼ……、僕は……」

 宮崎君のたどたどしい声が、何を話しだすのか急に怖くなり動くことが出来なかった。


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