出発②
元日二日、伊勢山皇大神宮に初詣に行った。
南副部長と山下先輩が違う電車だったので、神社のある桜木町駅で待ち合わせしていると、何故かマッサンと江角君と小林君、それに鶴岡部長と中学時代一緒だった伊藤君に茂山さんまでが偶然にも次々に現れた。
私たちの生活地域から言うと、この神社が一番交通は便利なんだけど正月早々こんな偶然なんて凄いと感動して、それなら美緒ちゃんや福田さんたち中学時代の仲間にも会えるのかなと沢山の人で賑わう参道をキョロキョロ探しながら歩いていた。
あんまり余所見ばかりして歩いていたものだから、参拝を終えた大人の人とぶつかって転びそうになったところを江角君に支えられ、そして余所見ばかりしている事を注意されたので理由を話すと「バカかお前」と冷たく返された。
何でそんなことを言われなきゃならないのか分からずにいると、私たちがこの神社に今日集まることを知っていたマッサンに誘われたのに決まっているだろう。
と言われ納得した。
でも、あとでよく考えてみると確かにあの時、日にちと場所は決めていたけれど集合時間を決めたのは大晦日の日にみんなとメールで決めたのに何故時間まで分かったのだろう?
私がそんなことを考えていると江角君が、またフラフラしていると人にぶつかるぞ!
と注意してくれたので、考えるのは止めて人とぶつからないように、そしてはぐれないように横を歩いていた里沙ちゃんの手を掴むと、振り向いた里沙ちゃんは苦笑いをしていた。





