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前へ⑬

 私が躊躇っていると言うのに、ロンは何故か張りきっていて駆けだすようにグイグイ引っ張る。

 そんなに引っ張ったら、足立先輩が怖がるかも知れないと思って「待て!」の声を掛けて、お座りして止まったロンに強く引いたら駄目だと言い聞かせると、それからは引かなくて私の真横で“付け”の位置におとなしく収まってくれた。

 いよいよ足立先輩の家の前まで来ると案の定足立先輩に呼び止められ、この前通された庭に連れて行かれた。

 頻繁に家の前を通ることを怒られるのかなと思いドキドキしていると、足立先輩は私たちを座らせると一旦家の奥に入って行った。

 私の隣でお座りしているロンがしきりに私に確認するように何度も顔を向けるので、何だろうと思って見ると、ロンの座っているホンノ少し前には竹輪の欠片が落ちている。

 こんな綺麗にガーデニングされた庭には似つかわしくない竹輪の欠片。

 まるでロンのために用意されたような……。

 実際、ロンは竹輪が好きだ。

 塩分が多いのでおやつとして与えることは無いのだけれど、ロンがまだ私の家に来たばかりの時は何度か揚げて置いていた竹輪の磯部揚げを盗み食いした前科がある。

「あんた、むかし勝手に竹輪食べて怒られたでしょ。駄目よ、もうあの時と違って大人なんだからネッ!」

 そう言ってロンの鼻先を人差し指で突いてやると、ロンも分かってくれたのか、それ以降は竹輪を見なくなった。

 暫くすると、足立先輩が紅茶とお菓子を持ってきてくれた。


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