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皆様のおかげで一万アクセスを達成させて頂きまして誠に有難うございます。

おそらく一人で黙々と書き続けいたら、ここまで来れなかったと思います。

こうして毎日書き続けることも。

毎日書いて、それを皆さまが読んで下さる。

それが嬉しくて、それが励みになって、それが有難くて、ここまで来れました。

これからも、お粗末ながら私なりに頑張りますので応援して下されば幸いです。

 反省会が終わって家に着くと、玄関には大喜びで迎えてくれるロンが居た。

 正直、コンサートだけでも疲れるのに、そのあとの反省会でクタクタに疲れた心が癒される。

 ロンも屹度そのつもりなのだろう、いつまでも私の傍から離れようとせずにクンクンと私のスカートや服、それに手や顔の臭いを嗅いだり、膝の上に顔を乗せてきたりして甘えまくる。

 反省会は楽しいコンサートとは裏腹に、観客には決して見せられない舞台裏という感じで、特に日頃からボーっと過ごしている私には辛かった。

 悔しくて泣き出した大泉先輩、神妙に反省点を語る山下先輩、それに怒鳴って退出した足立先輩、困って泣き出しそうな斎藤先輩と鈴木先輩の顔……。

 私たちだって勝った喜びは無く、皆神妙に門倉先生と鶴岡部長の話を聞いていて辛いだけだった。

 甘えてくるロンの頭を撫でていると、その辛かった気持ちも少しずつ解れてくる。

 でも、もっともっとロンの癒しが欲しくて私は玄関に仰向けに寝転がった。

 いつもそうしてくれるように、案の定ロンは上向きになった私の胸の上に乗り癒しのパワーが体や心の芯まで届くように温めてくれる。

 目を瞑りロンを抱いていると、嫌だったことがスーッと消えて行き、代わりに楽しかったことが私を包む。

 大きな拍手をして喜んでくれたりスタンディングオベーションをしてくれたり、アンコールをしてくれた人たちの笑顔。

 わざわざ訪ねてきてくれた宮崎君と今川さん。

 そして演奏を終えたときにお互いの手をつないで健闘を称えあった仲間たちの笑顔。

 私の気持ちが落ち着いてきたのが分かったのか、今までおとなしく撫でられていたロンが時折顔や首を舐めてきて、くすぐったくて笑う。

 いつまでも居間に顔を見せない私に気が付いたのか、それともこの笑い声に気が付いたのか、お母さんが玄関を覗いて「また、そんな所でいちゃ付いて……」と呆れた顔を見せていた。


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