表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
201/820

木管大戦争㉕

 ここで一時現分間を空けて、オープンスクールの最後に採点結果発表と最後の曲を演奏することになる。

 待つ間に、楽器の手入れをしていると思わぬ訪問者があった。

「鮎沢副部長、お久しぶりです」

 やってきたのは中学の吹奏楽部時代の後輩で、一学年下の宮崎君と今川さんだった。

「わー!久しぶり!元気?」

 卒業して、まだ二ヶ月しか経っていないのに、すごく懐かしく感じた。

「驚きました。演奏」

 聴いてくれていたのだと思うと嬉しくなる。

 驚いたのは屹度ソフトボール部のエースだった里沙ちゃんが、楽器を演奏しているからだろうと思って話をしていると、どうも違うみたい。

「……んっ?じゃあ何に驚いたの??」

 二人は声を揃えて「君をのせて」と、私が演奏したジブリの曲を言った。

 お世辞にしても有難いと思ったので「有難う」と軽く返すと、二人とも中学と高校のレベルの差を感じたと言ってくれた。

 正直実感はなかった。

 だって、高校に入って部活動をまともにしたのは数週間も無くて、あとは河原で里沙ちゃんたちと練習していただけなんだから。

 二人の話を聞いていると、中学時代が懐かしくて去年の夏のコンクールや山の上の音楽会や卒業式での思わぬ出来事など思い出話しに花が咲いて楽しかった。

 帰りは、バスの都合などでゆっくり話が出来ないので来てくれたと話して二人は他の見学に向かって行った。

 別れ際「帰りのコンサートも楽しみにしています」と言われたので、演奏できるのは勝者のみだから、そうなれるように私も願っていると伝えると二人とも笑って

「屹度……いや、絶対にそうなりますよ。聴いていて、そう思いました」

 と力強く励ましてくれた。

 二人を見送っていると、マッサンが傍に来て「後輩?」と聞いてきたので私は「中学校の吹奏楽部の仲間です」と胸を張って答えると、マッサンも嬉しそうに「良い仲間だね」と言ってくれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ