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木管大戦争⑪

土曜日、部活の無い私は待ち合わせ時間より少し早めに家を出た。

勿論お供のロンを連れて。

ところが、今日のロンは道草ばかりして妙に落ち着きがなくて土手を降りると既に里沙ちゃんと二人の男子が練習していて遅刻してしまった。

「ごめんなさい。遅くなって」

 私が謝ると里沙ちゃんが笑って「待ち合わせ時間には、まだちょっと早いんだよ」と教えてくれた。

 ふたりの男子はというと、私が到着するなり楽器を置いて傍に駆けるようにやって来て、私に「よろしく!」と言ったかと思うと、直ぐにロンを囲むように座ると

「撫でていい?噛まない?」と聞いてきた。

 私が、大丈夫だと思いますが気を付けてやってください。と言うなり二人は撫で始め、名前を聞いかれたので「ロン」って言いますと答える。

 ふたりとも犬好きなのかと思って聞くと、二年生の増岡先輩は家で猫を飼っていて、同級生の小林君はお爺ちゃん家が犬を飼っていると答えて、二人は直ぐにロンと仲良くなってくれた。

 そうしているうちに、撫でられているロンの首がスッと伸びて河上のほうを向いた。

 私もつられてロンの見ているほうに首を向けると、瑞希先輩とマリーが駆けて来るのが見える。

 その姿は、まるで中学校の卒業式のあと、お父さんの不注意でリードが外れたロンが私に向かって一直線で走って来た時そのもの。

 ロンのほうも、ホンノ少しの時間も待ちきれない様子だったので、私も瑞希先輩に向かって走った。


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