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花火の夜に③

 屋台の楽しさは味わえないけれどロンと一緒に夜の花火ってチョット好い感じ。

 ……でも、ロンって雷や花火の音が嫌いなのに大丈夫かな。

 一応、友達には前もってそのことは伝えていて、あまりロンが怖がるようなら先に帰ると決めていた。

 ひゅ~~~……ドンッ!

 最初の花火が上がった時、私はロンの耳を手でふさいだ。

「あれ?!」

 ロンは意外に平気な素振り。

 2発目が上がり、3発目が上がり、そして連発。

 ロンはおとなしくお座りしている。

 里沙ちゃんから爆弾アイスを渡されたときロンの耳から手が離れたとき花火の大玉がドンとなり、慌ててロンの耳を押さえようとしたけど間に合わなかった。

 だけどロンは平気な顔をして行きかう人たちを見ている。

 外だと意外に平気なのかな、でも何かあった時のためにリードは手首にグルグル巻きにして抜けないようにしていた。

「河原で仕掛け花火が始まるから、千春も行こうよ!」

 みんなに誘ってもらったけれど、私はお留守番をすることにして断った。

 ロンと二人っきりの花火。

 仕掛け花火の前にスターマインが盛大に上がる。

 ロンの顔を覗くと、ロンも私のほうを向いて目が合った。

「二人っきりの花火って、ロマンチックだね!」

 屋台や仕掛け花火も楽しいだろうけど、やっぱり私はロンと一緒のほうが好き。

 見上げていた花火が急に黒い影に隠れた。

 目の前に二人の人が立っていて、通り過ぎるのかなと思っていたら声を掛けられた。

「ねえ。君ひとり?」

「いえ。友達と来ています」

 二人は高校生か大学生っぽい若い男。

 しかも少しガラが悪そう。

「友達は、どこ行ったの」

「仕掛け花火を見に行きました」

 正直に答えて、直ぐに後悔した。

 戻ってくる時間を教えたようなものだ。

 案の定二人は私の傍から離れずに、一緒に屋台に行こうとか面白いものがあるとか彼氏はいるのとか中学生か高校生なのかとか滅茶苦茶話しかけて来る。

 挙句、一人の男が私の袖を引き無理やり立たせようとした。

「困ります!」

 私が少しきつめに言うと、二人は私の目の前にしゃがんで私の顔を覗き込んで「いいじゃん。チョット遊ぶくらい」と、しつこく絡んできた。

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