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いとぐち⑦

 スワン動物病院に着くと、いつも通り部長のご両親の先生が対応してくれて、部長の顔を見かけることはなかった。

 ロンの体調にも何の問題もなかったが、もう七歳になるので毎日の食事もそろそろシニア用に替えてもいい時期だと教えられた。

 七歳と言えば、私なら丁度小学校に入った歳。

 ロンもマダ若々しくて元気に見えるけれど人間の年齢に置き換えるとロンの場合中型犬と大型犬の間くらいだけど、一応中型犬とみて換算すると生後一年で16歳。そこからまた一年で七歳歳をとり、あとは一年に5歳ずつ歳を重ねていくので七歳というと、もう四八歳のおじさんということになる。


※小型犬は一年で17歳、二年で24歳、それ以降は一年ごとに4歳を加算します。大型犬の場合は一年で12歳、二年で19歳、それ以降は一年ごとに7歳を加算しますので7歳の場合は小型犬なら44歳、中型犬で48歳、大型犬だと54歳に相当すると言われています。


「はあ……」

 思わず溜め息が出てしまった。

 だって、こんなに若々しくて、こんなに可愛いのに人間の年齢に当てはめると、そんなに歳だなんて信じられない。

 それだと私が大学を卒業する頃には80近いお爺ちゃんだし、卒業後に直ぐに結婚して子供が生まれたとしても、その子供がチャンと遊べるようになり、しかも遊んだことも記憶に残る年齢になる頃には百歳前後になっているのだ。

 なんとなく、そんなことを考えてしまいボーっとして落ち込んでいると、手で握っていたはずのリードがスルリと抜けた。

 気が付くのがほんの少しだけ遅れて、あっ!と思ったときにはロンは病院の奥のほうを走っていた。

「まって!」

『待て!』と命令しないといけないのに、慌てて『まって!』とお願いしてしまった。

 これではヤンチャなときのロンは従わない。

「先生!スミマセン。ロンが……」

 追いかけようとしたときに先生に言うと「良かったらロンに部屋を案内してもらってください。ロンも屹度懐かしいのでしょう」と笑っていた。

 病院の奥には先生の家がある。

 何故だか病院から奥にある家の庭に続くドアが開いていて直ぐに芝生が敷き詰められた庭に出た。


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