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いとぐち④

 部活が終わって帰りの電車で、里沙ちゃんが話を振って来た。内容は鶴岡部長の話。

「鶴岡部長ってイチイチひとのことを監視しているみたいでウザイけど、いったい何様なの?入部してそんなに経っていないけれど楽器を演奏しているところ見たこともないわ。ねぇ千春、知っている?鶴岡部長の担当楽器」

 そう言えば入部して鶴岡部長が演奏しているところも、楽器を手にしているところも見たことがない。

 ひょっとしたらピアノなのかも……と考えていると、珍しく江角君が話しに割り込んできて教えてくれた。

「鶴岡部長の担当はビアノ。そして専門はヴァイオリンとトランペット」

「担当と専門が違うってどういうこと?それに打楽器と弦楽器と管楽器をチャンとやりこなしているっていうの?」

 江角君の話に、直ぐに里沙ちゃんが突っ込んだ。

 私も同じことを考えたので江角君の顔を見て二人で答えを待つと、江角君は『待ってました!』と言わんばかりの表情を浮かべて説明してくれた。

 いつもクールな江角君でも、得意になると結構子供っぽくなるんだなと思って少し可笑しくなる。

 江角君の話によると鶴岡部長の本当の専門はヴァイオリンで、これは有名なコンクールにも出場できるほどのレベルで、優勝こそしていないが何度も入賞しているそうだ。

 同じようにトランペットもピアノも入賞経験があるらしい。

 そして青葉台では指揮をメインにしている。

「えっ!?なんで楽器やらないの?そんなにコンクールで入賞するくらいなら相当な戦力じゃない?」

 里沙ちゃんが、口を尖らせて聞く。

 江角君はさっきまでの子供っぽい表情から急にいつものクールな表情に戻った。


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