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いとぐち③

 なんとなく、そうなんだとは思ってみたものの、どうすれば良いのか全然分からない。

 そのまま次の日に部活に出ると小さなミスばかりして、今一番の悩み事の中心事物である鶴岡部長に「大丈夫?体調悪いの?」と心配されてしまう。

 帰りの電車で里沙ちゃんと江角君に、吹奏楽部を楽しんでいるか聞いてみると、里沙ちゃんは折角楽しみにしていたのに出だしから難癖をつけられて正直、楽しくはないけど頑張ると言い、江角君は周りのレベルが高いので楽しいというよりも、やりやすいと言った。

 実際に江角君は、この学校の吹奏楽部のレベルや評判を知っていて他に多くある高校の中からワザワザ青葉台を選んだのだから面白くないわけがないし、実際に中学の時よりも活き活きとしている。

「鮎沢は、どうなの?」

 考え事をしているところに江角君から質問された。

「わたし?私は……」

 里沙ちゃんや瑞希先輩の事ばかり考えていて、自分の気持ちがどうなのかなんて考えてもいなかった。

『私は、どうなのだろう?楽しんでいるのだろうか……』

 一年生の中で上級生と一緒に練習させてもらっているのは江角君と私と、ほかに数人しかいない。

 江角君は、それで満足しているのだと思うけれど、私は正直“息苦しい”。

 同じ一年生の中で時には脱線しながらでも楽しく練習していけたらと思う。

 まだ上級生と練習でない人から見れば贅沢なのかもしれないけれど、今は先輩たちのペースに付いて行くのが精一杯で、楽しいのか楽しくないのかなんて考える余裕もなかった。


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