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新しい朝⑨

 午前五時五十五分。

 目覚ましが鳴るとともに直ぐに起きてジャージに着替える。

 傍で寝ているロンも一緒に起きて、私が洗顔と歯磨きをするために階段を降りると着いて来る。

 支度を済ませて、お散歩セットを持って家を出るのが六時十分。

 これから約三十分ロンと朝の新鮮な空気を吸いながら楽しくお散歩をする。

 朝の早い時間は車があまり走っていないので空気の臭いが違う。

 ロンは特に鼻が良いのでよくわかるみたいで、気持ちよく跳ねるように歩く。

「おはよう!」

「おはようございます!」

 顔なじみの新聞配達のおじさんや、同じように犬のお散歩をしている人たちと朝の挨拶を交わすのも楽しい。

 そうして朝の散歩から帰ると、玄関には既にお母さんがバケツにお湯を用意してくれていて、ロンの体を入念にブラッシングした後で、お湯で体を拭いてあげる。

 ロンは綺麗にされるのが嬉しいのか、お世話されている最中おとなしくしている。

「男前になったね!」

 私がロンの頬に手を添えて褒めてあげると、ロンも嬉しそうに舌をペロッとしていた。

 それからロンに朝食をあげて、次に自分の朝食を済ませ制服に着替えて学校に行く準備。

「お母さん早く!早く!」

 お母さんが早くしたくできるように私は台所で食器を洗いながら、お化粧をしているお母さんを催促する。

 食器を洗い終わる頃にお母さんもお化粧を終えて漸く着替え始める。

 その間私はロンと遊んでいる。

 やっとお母さんが来て一緒に玄関で靴を履きながら、用意してある衣服用のブラシでお互いの服に着いたロンの毛を落す。

「じゃあロン!お留守番宜しくね!」

 ロンは少し寂しそうな顔をしていたけど、結構この子は役割を与えられると“やる気”になるタイプなので今日は“お留守番の係り“という役を与えてもらって張り切っているようにワンと返事を返した。

 玄関に出ると丁度呼んでいたタクシーが来て、駅まで頼んだ。

 そう。今日は私の高校の入学式。

 鮎沢千春十五歳。

 いよいよ高校デビューなのだ。


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