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新しい朝⑥

 今日は高校の購買日。お財布係のお母さんと一緒に駅まで行き、待ち合わせしていた里沙ちゃんと里沙ちゃんのお母さんと一緒に電車に乗って行く。

 残念ながらロンはお留守番だ。

 高校のある駅に着くと、高校行きの臨時バスが出ていて、それに乗り、席を探していると目の前に江角君がいた。

「あれ?江角君。……なんでいるの?」

 江角君はいつものように淡々と、しかも面倒くさそうに

「ここに入るからに決まっているだろ」

 と返事をした。

 確かに受験のときに来ていたのは知っていたけど、江角君の学力なら本命は超進学校で、この学校は滑り止めなんだろうと勝手に決めつけていた。

 私が考えていることを察知したのか

「他には受験していないから、この学校が本命」

『なんで?』

 と聞こうとしたことにも先回りされて

「ここで、吹奏楽コンクール全国大会に出るため」

 と返された。

『どうして全国大会に入るため、ここを選んだんだろう?』

 と考えていたら

「部活に入れば直ぐ分かるよ」

 と肩を叩かれて、どうしてこうも次々と私の考えていることが筒抜けになるのか不思議に感じた。

 教科書や資料、シューズや体操服を購入して、いよいよ今日のメインイベント!制服合わせ。

 合わせとは言え、待ちに待ったこの青葉台の制服を着れる!

 実を言うと、この高校を選んだ大きな理由は“制服が可愛いから!”

 もちろん自分の学力や、高校の先にある大学進学のことも当然考えて選んだのだけど、私はこの制服が着たくて受験を頑張って来たと自慢できる。

 寸法合わせで初めて袖を通す制服を着て、姿見に映し出された自分を見ると、ぱぁーっと私の周りにお花畑が出現したように思えるくらい浮かれた気分になった。

 係りの人がサイズ番号を言うと別の係りの人がそれを用意する。

「あの~……」急に話しかけられて、戸惑った。

「もう、サイズ合わせ終わりましたので……」

 しまった!服を着たままポーっと浮かれていた。


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