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第69話

 2学期の期末テストが終わりひと段落した週末。ついに2学期最初の旅行部での旅行の日がやってきた。

 2学期に入って初である。2学期が終わろうとしているのに、だ。まぁ2学期は色々とあったから仕方がないのかもしれない。

 それにしても旅行部の旅行だからといって、俺の体は目覚ましが鳴る前に起きるというようなこともなく、妙なドキドキもなく普段通りだ。

 冬休み前の最後のイベントとなるであろう旅行部の旅行。割と楽しみではあるのも本音だ。いつも予想の斜め上を行く先輩達に、烏丸先輩も参加するのだから。

 烏丸先輩は初参加だから旅行部の旅行がどんなものか知らない。きっと驚くだろうなというワクワクは俺の中である。

 今日はオーロラと言ってたからしっかりと防寒対策をしないといけない。ただの日本の冬の防寒対策ではダメだ。あの先輩たちはそこまで再現してしまう。

 夏休みに俺とベガが部室で遭難して凍死しかけたことは今でも忘れない。夏に部室で凍死なんてわけがわからなすぎるのだが、実際に凍死しかけた。凍死はしなかったけど風邪はひいてしまった。

 桃花先輩は烏丸先輩にはなんと言ってあるのだろう。本当にオーロラを見るわけがないという事はわかるだろう。本当にオーロラを見に行くと一体いくらかかってしまうんだ。普通の高校生にはとても無理だ。

 とにかくちょっと荷物が多いから早めに家を出ることにする。


 早めに学校にたどり着いたときにちょうど門のところで俺と同じくらいの大荷物を抱える人物が見えた。

「おはよう!」

「おはよ。城野も荷物多そうね」

 夏に部室で凍死しかけたもう一人の人物だ。やはり防寒対策だろう、荷物をたくさん持っている。

「死にたくないからね」

「言えてる」

 二人して多くの荷物とともに部室へ向かって歩き出す。

 部室へ着くと制服にコートを羽織っただけの烏丸先輩がすでに到着していた。そんな格好では寒さ対策不十分だ。

 先輩は寒さの演出に怒り狂ってしまうのか、それとも今までに見たことのない先輩の姿が見えるのか。そんなことを考えていると悲しい視線を感じた。その先輩からの視線だ。

「あなたたち。何? その荷物は」

 予想していた言葉だ。疑惑の視線も同時に突き刺さる。

「防寒対策です。先輩こそそんな薄着で大丈夫ですか?」

「確かに薄着ですけど、室内だから大丈夫でしょ。それよりもあなたたちの荷物、一体何を持ってきたらそんな大荷物になるのかしら」

 先輩は俺とベガを交互に見て、呆れていた。

「まあ、いろいろあるんですよ」

 秘密の旅行計画の時みたいな変な汗が溢れてくる。あの時から、結局烏丸先輩は旅行部の旅行の内容を知らないままなのだ。今日もオーロラを見に行くという事しか知らない。

 しかし、普通の人はオーロラを見に行くといって何を想像するのだろう。本当に行くわけがないというのはわかっているので、先輩はあの格好で来ているのだ。きっと、部室でおしゃべりか、DVDを見るのだろうくらいにしか思っていないのだろう。

 俺は残念なことに旅行部に染まってしまった人間だ。もう普通という事がわからない。

「おはよー!」

「あら、みなさんお早い集まりですわね。そんなにこの旅行が楽しみだったのかしら?」

 美祢と桃花先輩が一緒に部室に現れた。その後ろに日田先輩もいつもの如く居た。

「そうだけど? 楽しみで楽しみでしかたがなかったのだけれど? まだ待たせるのかしら?」

「えっ、そ、そんなに楽しみだったの? えっ? どうしようかしら」

 桃花先輩がすでに烏丸先輩から遊ばれている。もうどうやっても相性が悪い。

「何ですの? ノブくん。わたくしを見ながらニヤニヤして。どれだけわたくしのことが好きなのかしら?」

 そして俺へ逃げてくる桃花先輩。もう慣れた。そして次に美祢が『えっ城野くんっておねーちゃんのこと好きなの?』なんて騒ぎ出すまでがセットだ。

「ちょっと! 城野! それどういうことよ」

 あれ? 予想外の方向から予想していたような言葉が飛んできた。美祢の方を見ると、視線を逸らされた? それとも気のせい? たまたま? それとも俺、美祢に対して何かしたか? 思い出してもそんな怒らせるようなことはしてないと思う。思うだけで美祢のことは実際よくわからないし。

 美祢もベガも実に面白くなさそうな顔をしていた。一体どうなっているんだ。

「モテモテで大変ね。ノ・ブ・くん」

「やめてください。本当にその呼び方」

 烏丸先輩からこう呼ばれると先日のことがまた思い出されてしまう。思い出したらまた変な汗が噴き出してきた。

「あら、どうして私だけノブくんって読んだらだめなのかしら? 私嫌われているのかしら?」

「城野、アンタいつから烏丸先輩から下の名前で呼ばれるようになったのよ」

「わたくしという人が居ながら。不潔ですわ」

 美祢も無言で俺を見ている。見ているだけか? やっぱり睨んでいるように見えなくもない。と思ったらまた目を逸らされた。やっぱり怒っているのか? 

 もう烏丸先輩からノブくんって呼ばれることがトラウマになりそうだ。いい思い出が一つもない。呼ばれる度に変な汗が噴き出してくる。

 俺が追い詰められているとゆかり先輩が到着。早く旅行部の旅行が始まってくれればいいのだが、いつもの如く小森江先輩が居ない。

 俺は小森江先輩が早く来てくれと祈るばかりだった。

読んでいただいた方々。本当にありがとうございます。

大変お久しぶりになってしまいました。

実はこのあとがきを書くの2度目になっております。

予約していたつもりで、10時になって見に来たら上がってないのです。

まぁあとがきにもっと硬い文章をかいていたのですが、自分らしくなかったのであがらなかったのかなと都合よく解釈しております。

これを書いている間も仕事に遅刻しそうなのは気にしません。

今回は短いですが、まずは復帰して上げたいという気持ちと思ってください。

次も1週間以内にあがるように頑張ります。

ということで、

また来週。。。

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