秘密の約束?
どうしてボールペンで答えを書いたらダメなんだろう?
間違えても書き換えてないならボールペンで書いてもいいんじゃないのかな?
間違えても消さないって決めてたからボールペンで書いたのに。ボールペンで書いたらダメって言われてたけど消さなかったら良いっていうことじゃなかったのかな? もうわけわかんないなぁ。
そんなことを考えてたら先生のお説教は終わったみたい。今日は一段と先生に怒られちゃったから帰るのが遅くなってしまった。だから部活に行かなくてそのまま帰ろう。
家に帰ってたくさんご飯食べて今日の事は忘れよう。そうよしよう。
そしてテストで怒られたことも忘れよう。そうしよう。
「じゃーねーバイバーイ」
「失礼しましただろう!」
すぐに職員室の扉を閉めて逃げるように下駄箱へ向かう。先生に捕まるとまたお説教されそうな予感がした。私こういう直観はよく当たるんだ!
下駄箱に到着するとお友達を発見!
「ちゃーやーまさーん!」
ちょっと変な声が出ちゃったけど、茶山さんは私が呼んだだけなのにものすごく驚いた顔でキョロキョロしてる。
面白い。
今度は隠れて呼んでみる。
下駄箱の陰に隠れて茶山さんの様子を見ながら呼んでみる。
「茶山さん! 茶山さんってば!」
いちいち驚く茶山さんが面白く! キョロキョロビクビクそして可愛い。
そうやって隠れて茶山さんを見ていたらだんだんとこっちに近づいてきた。
あれ?
「みーーーーーねーーーーー!!」
バレちゃったことに気が付いたのが遅かった! 茶山さんに一瞬で捕まっちゃった。
頭を掴まれて……あっこれアイアンクローだ!
結構痛……くないんだけど茶山さん。
私は痛がったリアクションを頑張ってとってみてやられたような感じをだしてたけどあんまり茶山さんって握力ないね。なんかそれも可愛い。
「何?」
茶山さんは私をじっと見ながら低い声で言ってきて、見つめたままだ。茶山さんって綺麗な顔。それに綺麗な脚。
ちょっと脚が綺麗すぎるからスカートでもめくってみようかなと思っちゃった。
すかさずペロっとめくってみたら白い太ももに水色のパンツが見えちゃった。
そして私は蹴られた。
もう一度水色のパンツが見えた。
「アンタなんでそういう事迷いなくするの? もう!」
「思いついちゃったから」
「思いついたら何でもかんでもやるの? アンタは……ってアンタはやりそうよね」
なぜか茶山さんはうなだれながらため息もついてしまっている。一人で騒いで一人でしぼんじゃった。
「もう、それでアンタはどうしたいの? 私を呼び止めて何なのよ」
「んーと茶山さん一人で寂しそうだなーって」
茶山さんはムッとした表情に変わったのでまた怒られると思ったら今度は呆れた顔に変わった。
「一人で寂しくなんかないもん! 別に友達だって……もう! 友達は居ないといけないわけ?」
やっぱり茶山さんがまた怒っちゃった。茶山さんはどうして友達居ないんだろう? 私友達なのに……あっ一緒に帰ろうと思ったことをすっかり忘れてた。
「一緒に帰ろう!」
私の言葉を聞いた茶山さんはどうしていちいち照れたりもじもじするのだろう。そしてやっぱりそういう姿が可愛い。
「しょ、しょうがないわね! 一緒に帰ってあげる」
私は一緒に帰るために手をつないだら思いっきり暴れだしてしまった。
どうしたんだろう。顔を真っ赤にして面白い。あれ? 面白い? 怒ってるのかな?
「ねぇ、茶山さんって城野くんのこと好き?」
「は? どうして? なんで?」
急に声のボリュームを上げて慌て始める茶山さん。やっぱり小動物みたいで可愛いな。もうちょっとイジメたくなっちゃう。
声を掛けても驚くし、手を握ってもすごい反応するし城野くんの名前を出すともっと面白いし。
茶山さんって面白いなぁ。
「す、好きかもしれない」
「そっかー」
何が好きなんだろう。突然何で好きとか言ってるんだろう。
「なんで人が一生懸命言ったのにアンタはそういう軽い反応なのよ!」
また怒られちゃった。軽い反応ってどういうこと? 私何かいけないことしたのかな? あっもしかしてイジメてるのわかっちゃったかな?
「怒んないでよー。だって私は茶山さん見てると楽しいんだよ」
茶山さんは顔が真っ赤になって手で顔を覆ってしゃがみこんじゃった。これは怒って……ないよね?
「内緒よ! もう! このことは秘密だからね! わかった?」
「何が内緒なの?」
実はわかんないふり。やっぱり城野くんのことが好きなんだ。
でもそれ以上にどんどん顔が赤くなってもうトマトみたいになってる茶山さん。やっぱり恥ずかしいんだ。恥ずかしいよね。
「だ、だから……もう! なんで!! 何で私が恥ずかしいのよ! 恥ずかしいに決まってるでしょ!!」
取り乱した茶山さん。もう何言ってるのか茶山さんもわかってないんじゃないかな? でも城野くんのことが好きなのか。ちょっと複雑だな。
「分かった? ってなんで私が一生懸命話してるのにニヤニヤしてるのよ! アンタは」
「いはいいはい。いはいよー」
ほっぺを引っ張られてるから上手く喋れない。
引っ張られてた手を放してくれたのですかさず言ってあげた。
「ごめん分かった! 城野くんのこと好きなんだもんね!」
結構痛い茶山さんのパンチを食らってしまった。
読んでいただいてありがとうございます
別視点の分をようやく書いてみました
今回は美祢ちゃんです。
時系列はゴールデンウイーク明けの試験後ですね
楽しんでいただけていればうれしいです
ではまた次回。。。




