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第24話

 今回はいつもよりちょっと長くなっております

 それとちょっぴり?エッチなエピソードが入っちゃってます。苦手な方は斜め読みで飛ばし飛ばしで読んでもらうか、丸々この24話を飛ばしてもらっても影響がないというとウソになってしまうのですが苦手なものはしょうがないのであとがきだけでも読んでもらえれば。

 個人的には大丈夫かな?と思っているのですが、あくまでも個人での判断なので15禁じゃない?という意見があれば15禁にしますので。。。


 旅行部は再びただのお喋り部に戻ってしまった感じのある今日この頃。気温は暑くなる日々が多くなってきた。


 そう夏がやってくる。


 夏がやってくるのだが、まだ梅雨も明けないこの7月の頭の今日からプールの授業が始まるのだ。

 高校生にもなるといろんな目が気になる。女子は男子の目線が気になるし男子は女子の体が気になるお年頃。女子はあまり気乗りした感じは見られない。

 梅雨が明けていないので気温も今日はあまり高くなくプールに入ると若干肌寒いかもしれない。これも気乗りしない理由の一つだろう。

 だが一番女子が気乗りしない理由はこの学校が男女一緒に体育の授業を行う、すなわちプールの授業も男女一緒ということだ。

 逆に男子はワクワクが隠しきれずにはみ出している奴も居る。勘違いしないで欲しいのは、はみ出しているのは体の一部ではなくてあくまでも気持ちがはみ出しているのだ。体の一部がはみ出してしまうとその時点でアウトだ。

 そんな朝から変な空気が教室を漂っているこの1年2組の中で一人全然違う空気の女子が居る。言わなくてもわかるであろう美祢彩耶乃だ。

 登校したと思ったら一人で教室の空気を変えるくらいのはしゃぎっぷりである。こいつはワクワクがはみ出しているとかの次元ではない。もう溢れているのだ。というか最初から隠す気なんて無いんだろう。

 俺は巻き込まれると疲れてしまうと思っていたので、美祢のことを無視しようと思っていたのだがそんなことはできるわけもなくすでに美祢が俺の前に立っていた。

「城野くん城野くん見て見てー」

 嬉しそうに俺の前で制服をめくり上げる。

 俺は頭が痛くなってきた。

 小学生とかで見たことのある風景が俺の前に映っていた。

 美祢がめくり上げた制服の下にはスクール水着が。つまり美祢はすでに水着着用状態なのだ。

 海に友達同士で遊びに言っているのならばまだ許せるだろうが、プールといえども学校の授業だ。何が悲しくて学校の授業のプールで幸せそうにはしゃげるんだろう。

 もちろん美祢の言葉が聞こえたのだろう。教室の男子がざわついている。いや男子だけではなく女子もざわついている。

 しかし女子の反応は『まぁ美祢さんだしね』程度の反応なのが日頃の美祢を映し出しているのかもしれない。

「体育は3限目だろ? 何考えてるんだ?」

 俺の皮肉いっぱいの言葉にも、

「だってプール楽しみなんだもーん」

 そんなストレートな言葉が返ってくる。本当にコイツは高校生なのか? なんでこんなにコイツはピュアなんだ。

 今度は嬉しそうに自分のスカートを何度もめくってスク水を俺に見せている。

 水着だから大丈夫じゃなくて少しは男子の目線も気にしろ。お前がやっていることは結構マニアックなことだと思うぞ。

 体育までの授業は朝の変な空気じゃなくて、男子が美祢に対する注目で変な空気になっていた。




 そんな変な空気の時間もあっという間に過ぎようやくプールの授業。

 美祢以外の女子は面倒くさそうにプールに移動している。

 俺も現在進行形でノリノリの美祢に引っ張られる形でプールに連れ去られようとしているところだ。

「お前ずっとテンション高いけど漫画みたいに下着忘れたーとか言うんだろ」  

 俺は引っ張られながら冗談で言ってみたんだが、俺の後ろの奴も冗談に乗っかってきた。

「城野くんそれはセクハラになっちゃうよ。ダメだよ」

 俺たち二人でふざけあってたのだが、美祢の反応がおかしい。

 まさかコイツ本当に……? まさかね。

 美祢の変な様子に俺の後ろの奴も気が付いたのか、俺と俺の後ろの奴がぎこちなくなってくる。

 俺たち二人の会話が聞こえていて、美祢の様子が変なことに教室に残っていた男子が気が付いたのか足を止めてこちらに耳を傾けているようだった。

 美祢は依然黙ったままだが明らかにさっきまではしゃいでいたテンションはない。

 美祢、お前本当に……

 そしてついに美祢が口を開いた。

「城野くん……どうしようどうしよう! なんでもっと早く言ってくれなかったの? もし1限目に言ってくれてたら私一回家に取りに帰ったのに! どうしてプールの授業の直前に言うの? 私それだったら取りに帰れないしどうしたらいいの? ねぇ私どうしたらいいの? 城野くんどうしよう!!」

 思いっきり美祢が早口で喋ったのでよく聞こえない部分もあったのだが、要は下着忘れたっていうことらしい。

 とりあえず頭真っ白の美祢は動かなくなってしまったのでプールに連れていくことにする。さっきと立場が逆転してしまった。

 美祢は壊れたまま時折『あはは』と変な笑いを口から漏らしている。

「城野くん……私お嫁にいけない?」

「大丈夫だお前はすでに変な奴だから下着の一つや二つ忘れてもあぁ美祢かぐらいに思われるだけだ」

 自分で言った後に結構ひどいことを言ったな俺と思ったが、一応美祢を元気づけるためだ。だって本音を言えば美祢は黙っていれば結構可愛いし年頃の男子とすれば気になる。そんな美祢が今日は下着をつけていません! なんて大問題だ。自然と目線は美祢に行ってしまうだろう。

 俺も美祢のことをあまり知らなければ……いや知っていても気にはやっぱりなってしまう。俺だって男の子だもん。

「美祢さん壊れちゃったね。大丈夫かな?」

 俺の後ろの奴も結構心配そうにしている。こいつ変な奴だけど意外と心配してくれるしクラスのみんなからも人気もある。

 プールまで動かなくなった美祢を連れてくると心配していた女子に引き渡す。さすがに俺が女子更衣室まで連れて行くわけにはいかない。それこそ大問題だ。

 引き渡された女子は苦笑いしながらも美祢に声をかけていた。なんだかんだ言っても美祢はこのクラスのムードメーカーだしな。

 着替え終わってプールに出るとさっきまでの美祢がウソのようにはしゃいでいるではないか。

 さっきまでの俺の気づかいは何だったんだ? それとも女子が何かいい解決方法を見つけたのかな?

 俺はそう思い普通にプールの授業を楽しんだ。

 女子も始まるまでは気乗りしてなかったけどプールが始まるとやっぱり楽しんでいた。



 やっぱりみんな年頃の高校生という感じに楽しんでヘトヘトになっていた。

 俺も皆と同じくヘトヘトだ。

 プールの授業が終わり美祢が教室に入って来たかと思うと素直に自分の席に着いたからあいつも疲れてるのかなとしか俺は思っていなかった。

 だが一応気になったので俺から美祢の席に行き質問をした。大丈夫だろうという意味で質問したのだがやっぱり美祢は美祢だったということを思い知ってしまった。

「お前大丈夫なのか? 忘れたって言ってたけど。もしかしてあったとか?」

 笑いながら『そうだよ城野くん』くらい言ってくれると思ったんだが現実は全然違っていた。

「えっ何もつけてないよ。だから大人しく座ってるの! わかって」

 美祢の発した言葉に教室に居た男子が唾を飲み込んだ音が聞こえた気がした。

 俺も唾をゴクリと飲み込んだ。コイツ当たり前のように言ったけどヤバイぞ。

 俺は女子の方を見渡すと首を横に振る女子が数名居た。きっとノーパンはまずいとか美祢に言ってくれたんだろうけどダメだったんだろう。

 教室の男子は机に突っ伏したり男同士でぎこちない会話をしたりしている。また空気が変な空気になってしまった。

 年頃の男の子には刺激が強すぎるぞ! 今のお前の状況は!!

 俺も開いた口が塞がらない。もうこのまま顎が外れてしまいそうなくらい開いた口が塞がらない。

「お前開き直るんじゃねーよ! 頭おかしいのはいつものことだけど」

「はーい席についてねー」

 言いかけの所で先生が入ってきてしまい変な空気のまま数学の授業が始まってしまった。

 数学の授業はいろんな意味で美祢のことが気になり、全く耳に入ってこなくて集中できなかった。

 

 

 数学の授業が終わり昼ご飯。いつもなら真っ先に美祢が食堂に行こう部室に行こうと俺の席まで飛んでくるのだが今日はピクリとも動いてない。

 ピクリとも動かない美祢が俺の席の方を向いて困った顔をして、

「城野くんご飯どうしよー」

 お前ご飯どころじゃないだろう。きっとあいつは今日、席から動かないつもりなのだろう。

 だが帰宅する時どうするつもりなのだとかトイレはどうするのだとか問い詰めたいことは山ほどあるが、美祢が口にする言葉で俺は心底どうでもよくなってしまう。

「お腹すいて死にそうだよーどうしよう」

 俺はこの状況を放り投げてご飯に行こうかと思ったが、やっぱりそれは美祢がかわいそうとちょっぴりでも思ってしまったのだ。そんな自分がよくわからなくなる。

「ちょっと待ってろよ」

「待つよ。だって動けないもん」

 本当にコイツは喋ると腹が立つなと思いつつも4組に向かって走る。

 俺の中ではこんなバカげたことで助けを求められるのは茶山さんしか居なかった。一応桃花先輩も浮かんだのだがなんとなく茶山さんの方が頼りになりそうと思ってしまった。

 ゴメン桃花先輩と心の中で謝った。だって桃花先輩が絡むともっと変な方向に向かいそうな怖さもあったし……というか怖さしかなくて、面白がる未来しか見えない。

 4組に到着して前方のドアを開けて中を覗くと俺はすでに大きな声で聞いていた。

「茶山さん居る?」

 突然の訪問者に教室の中にいた生徒全員が一時停止したように動きを止めてこちらを見ていた。

 よく考えるまでもなく俺は4組の教室の中に来るのは初めてだった。

 一時停止は一瞬の出来事でまた再生ボタンが押されたかのように皆が動き出した。

 そしてその動き出した中の一人が早送りをしたように一直線でこちらに向かってきた。茶山さんだ。

 ものすごい勢いだったから身構えてしまった。

 いつも美祢が飛び蹴りを食らっているのを間近で見ていたからか、体が勝手に反応していたのだ。

 ものすごい勢いでやってきた茶山さんは俺の腕を掴むと教室の外へと連れ出された。

「ホント恥ずかしいんだけど! ヤメテ!」

 廊下で開口一番怒られたが茶山さんは急いでいたのを察してくれていた。

「で、そんなに焦ってるっていうことは何かあったの?」

 若干顔を赤らめているのは走ってきたからなのか恥ずかしいからなのかはわからなかったが口調的には恥ずかしいということみたいだな。

 今の俺にはそんなことを考えている暇なんてなかった。早く美祢のことを解決したいのだ。

 俺は今の美祢の状況を茶山さんに説明した。

 説明の途中から顔つきが変わり最後には『信じられない』なんて言葉も漏れていた。茶山さん怒ってるよな? 相談する相手間違っちゃったかな。

「アイツ本当に頭おかしいんじゃないの? ホント信じらんないんだけど。子供じゃないんだからってアンタに怒ってもしょうがないわよね。ちょっと待ってて」

 ため息をつきながら教室に戻る茶山さん。俺は怖くて茶山さんを見ることができなかった。

 俺何にも悪いことしてない……つもりなのに俺が怒られてるみたいだ。

 しばらくすると茶屋さんが戻ってきた。手には体操服を持っていた。

 なるほど! 体操服を着せるのか。さすが茶山さん機転が利く。

 やはり茶山さんに相談して良かった。

 俺がそんなこと考えていたら茶屋さんにまたもや手を引っ張られて、今度は俺たちのクラスに引っ張られていく。

 茶山さんは結構早足で本当に引っ張られていた。

 俺たちのクラスに到着するなり茶山さんがドアを思いっきり開けると教室が静まり返った。

「ちょっと美祢! あんた頭おかしいんじゃないの?」

 静まり返っていた教室に一層響いた茶山さんの声。一人だけ間抜けに返してくる。もちろん美祢だ。

「やっほー茶屋さん! 手なんか繋いでラブラブだねー」

 呑気に手を振ってさらに茶山さんをヒートアップさせるつもりか。

 しかし美祢の言葉に今の状況を認識して取り乱す茶山さん。繋いでた手を乱暴に離し、離した手がどうしていいのか分からずに不自然に遊んでいる。

 すでに美祢のペースにはまりかけていた茶山さんだったが、我を取り戻したのか一直線に美祢の方に向かっていき美祢の前に立つ。

 そしていきなり胸を掴んだ。

 教室にいた俺を含んだ男子も、そして女子も状況が分からずに混乱していた。

「イヤン!」

 美祢は触られた胸を恥ずかしそうに抑えてふざけ気味の声を出したが、茶山さんはそんな美祢を無視しているが教室はざわついている。

 そして無表情のまま今度は座っている美祢のスカートの中に手を突っ込んだ。

 教室の中が再び大きくざわめく。結構刺激の強い光景が目の前に広がっている。

「あんた本当につけてないとかバカじゃないの! 信じらんない!!」

 教室の中の男子がざわつく。『本当につけてないのか?』『マジかよ』なんて声がひそひそ話になってないレベルで漏れている。きっと興奮してしまっていて声のボリュームが壊れているのだろう。

 女子はやはり事情を知っていたのか苦笑いだった。

「もういいから。体操服貸してあげるからとりあえずこれ着ておきなさい! ほらトイレ行くよ」

「えー茶山さんが何に使ってるかわからない体操服を私がさらに汚すわけにはー……」

 無言で睨まれて黙ってしまう美祢。今の茶山さんには冗談が通じない。当たり前だ。

 この状況で冗談の言える美祢も美祢だなと思ってしまった。

「ごめんなさい」

 小さな声で謝る美祢に俺は驚いた。あいつのあんな姿見たこともなかったから。

 やはり真剣に怒られて美祢も凹んでいるのだろうか。美祢も人の子ってことなんだな。少し安心した。

 美祢はずっと『だって』とか『でも』とかもじもじと小さな声で言い訳をしていた。

 俺もその二人のあとについて行ってたのだが茶山さんが突然立ち止まりぶつかってしまった。

「城野は着いて来なくていい! あんたは教室で待ってて! 来ても女子トイレには入れないのよ」

 当たり前のことで怒られた。俺も気が動転してるんだよと自分に言い訳した。

「アンタ女の子なんだからもっと自分を大事にしなさいよ!」

 まだマジ怒り中の茶山さんの説教が続いている。これトイレから帰ってくるまで続くんだろうなと、まぁ美祢はふざけすぎてるからいい薬になるだろう。

 とりあえず俺も二人を待たなければいけないので自分の椅子に座るとどっと疲れてため息が出た。

 すると教室に残っていた女子が数名、俺の方に歩いてきた。なんだ? 今度は茶山さんとのことを聞かれるのか? 今はちょっと疲れてるしそんな気分じゃないんだけどなと思ったらそうじゃなかった。

「城野くんって茶山さんとお友達なの? 茶山さんってすっごい喋りにくい人だったけどいい人なんだね」

「私美祢さんが下着何もつけずに制服着てるのにどうしていいかわからなかったけど茶山さんすごいね」

「そうそう、美祢さん本当にそのまま制服着ちゃうし。結構透けててやばかったよね」

「何言っても大丈夫しか言わなかったしね」

「美祢さんに言うこと聞かせる茶山さんってすごいね。ちゃんと友達を怒れるってすごいよね」

 何か美祢の件のおかげなのか2組の女子の中で、茶山さんの株が急上昇みたいになってるな。

 今日の茶山さんは何かすごかったな。言葉ではうまく表現できないけどホントなんかすごかった。

 すごく頼りになった。2組の女子も感心してるし。

 美祢は美祢でなんでクラスのみんなが気にしてくれてるのに大丈夫なんて言ったんだろう。強がってたのか?

 戻ってきた美祢はかなりしおらしくなっていた。

 さすがに茶山さんにたくさん言われて反省してるんだろうなと思ってたがそんな俺の考えが甘かったようだ。

 昼の授業で先生からなぜ体操服なのかと聞かれた時に、

「下着を持ってくるのを忘れました」

 とバカ正直に答え先生は混乱し、事情を知っているクラスメイトは笑いが起こった。

 普段通り? の美祢に戻っているが、一体どの美祢が本物の美祢か俺はわからなくなっていた。

 いつもより長かったですが読んで頂いてありがとうございます。楽しめましたでしょうか? 

 今年最初の本編なので張り切っちゃいましたが、張り切った結果がコレになっちゃいました(笑)

 まえがきにも書かせてもらったのですが苦手なものは無理に消化する必要もないですしのは事実ですからね。ましてや娯楽ですので無理はよくない。嫌いな食べ物も食べなくていいなら食べないほうがいいですからね。

 私もキノコは食べませんので。

 今回飛ばした方は★茶山さんがしっかりしてて友達?である美祢をちゃんと怒ったところを2組のみんなが見てた。★ってことがポイントかなと。

 あとはサービス回みたいなものなので。

 若干!若干ですよあくまで若干すこーし。趣味が入ってたりしますので(小声)

 今回はまえがきも本編もあとがきも長くなってすみません。

 皆様が楽しんでいただけていれば嬉しいです。

 ではまた来週。。。

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