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プロローグ

初めての投稿&作品作りなのでペース配分など未知数です

ライトな感じで書いていこうと思ってますのでのんびりとおつきあいください。


 まだ先のことなんてあまり考えずに先生たちから進路を決めなさいと追いかけられ、そして遊びまくっていた中学3年生の夏。すでに受験勉強のスタートには出遅れていたが自覚のない人間に何をしろと言われてもなかなか動かないものだ。

 

 中学3年の夏にまだ志望校が決まっていないということは出遅れているというかスタート地点にも立っていなかったのだ。

行きたい学校を決めなさいと言われても自分の中での高校というものがまだ上手く現実化できてなくて、まだ遠い未来のことのように思っていたので、そんな状況じゃ決められるわけがなかった。

 正直、高校と大学くらいは行かなきゃなというようなあやふやな気持ちだった。

 友人の中の一部は明確な目標があり、それに向けてこの学校に行きたいだとか、この大学に行くためにはこの学校に行っておいたほうがいいとか、この職業に就くためにはここの学校に行くしかないとか言っていた。


 正直そいつらは俺から見て随分大人に見えたしかっこよかった。


 結局俺が受ける学校の決め手と言えば学力。キミの学力だとこのあたりの学校かな? と先生から促されてしまう。俺自身もよくわかっていないのでじゃあこの学校でとあいまいなまま受験する学校をきめてしまっていた。

 こちらが選択して学校を決めるというよりは受験する学校のリストから消去していく方法で決めたのでお世辞にも積極的とは言えなかった。

 いや、俺だけじゃなくてほとんどの生徒がそうなんじゃないか? 違うのか? そういえばみんな結構真剣に勉強してたしな。あの教室の空気は2年生までの空気とはちょっと違ってたし俺結構浮いてた?

 俺もそんな感じで行きたい学校が決まりかけていたところだった。というよりも決まっていた。

 自分の学力で無理をしなくても大丈夫な安全圏で、仲の良い友人と同じ学校。理由としてはありがちな理由だと思う。俺の中では十分納得できる理由だったのでとりあえず頑張ろうと受験モードへのささやかなスイッチは入った。すでに夏休みは終わり、体育祭も終わった時期だったが。



 そんな考えが一気に変わり、目的をもってこの学校『平和通学園』に行きたいと思う出来事が起こった。

 秋。友人に、平和通学園の文化祭に誘われた。別に息抜きするほど根を詰めてたわけではなかったが、何気なく行ったその学校で面白そうな部活に一目惚れしたのだ。

 その平和通学園には『旅行部』というものを見かけた。この学校の、この部活に俺の心は惹かれていた。

 この学校に行きたい! 旅行部に入る!

 その思いだけで勉強した。人間きっかけはこんなのものなのかと思うほど俺の中で簡単にスイッチが入ったのが分かった。

 短期集中とはこのことかと言わんばかりに勉強した。ダラダラと勉強していた時期よりもよっぽど効率的に勉強できていたと思う。やっぱり人間気持ち次第なのかとこの年で気づかされた。



 そして春。晴れて合格し、旅行部のある平和通学園に入学することが決まった。

 一番仲の良かった友人とは別々の学校になってしまったが、友人は気にしてないと笑ってくれた。これからの高校生活のことを考えるとワクワクが止まらなかった。

 あの時旅行部に出会ってよかったなと思った。

 自分で選択して、自分で決断した学校を受験した。その受験で合格したという達成感もあったし、旅行部への期待もあった。

 早く春休み終わらないかな。

 早く入学式にならないかな。

 俺の気持ちは春からの高校生活を待ちきれないでいた。

 きっと楽しい高校生活になるに違いない。俺はこう思って疑わなかった。


 これは盛大なフラグだったのか……

 

 



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