表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

第一章 第一節 始まりの始まり

「お願い・・・やめて・・・」


「顔を見られたからな。悪いけどあきらめてくれ」


 男はナイフを振り上げた。ナイフが月に照らされ、輝きを増した、と同時に


「いやぁぁぁぁ〜!!!」


 という女の叫び声が響いた。その瞬間、女は何も言わない物と化した。


「ちっ、やっちまったか。」


 男はそう言ってつばを吐いた・・・その顔には女の血が飛び散って赤く染まり、まるで鬼そのものだった・・・。



・・・



「ねぇねぇ、知ってる?」


 桜井琴子(さくらいことこ)はそう言って僕の肩を叩いた。新聞部の部室の窓際に座り、そろそろ咲きそうな桜を見つめたまま僕は、


「いや、知らないな。」


 そっけなく答えると、琴子は、


「まだ何も言ってないじゃ〜ん。ってかそれなら聞いてびっくりだよ。T市の連続女子高生殺人事件。昨日また被害者が出たんだって!これで三人目だよ。」


 僕はようやく振り向いて彼女を見た。


「昨日?いや、知らなかったな。」


「徳井高校新聞部ともあろうものが・・・ちゃんとニュースくらい見てよね。」


 ふくれっつらで僕を見つめる琴子。本気で怒っていない事は分かっている。


「ごめんごめん、で、どんな状況?」


 笑顔で僕は質問をした。


「やっぱり出ましたよ、お兄さん。被害者の首筋に『鬼』の傷文字。犯人はやっぱり一人目二人目と同じ、"鬼"ですね。」


 僕はそれを聞いて口元がゆるんだ。それを琴子に見られていたみたいで、


「おっ、興味をそそられたかい?徳井高校始まって以来の天才。高宮秀太(たかみやしゅうた)君。」


「ん?まぁね。」


「ではでは一緒に取材に参ろうではないか。」


 琴子はそう言って僕の腕を強引に引っ張っていった。


・・・確かに興味をそそられる事件だ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ