医者の不養生・ふらふらの俺
どうやらアイツは撃たれた直後に気づいたらしい。ふらっと倒れていくときに驚いた顔をしていた。
ちなみに俺の特製麻酔弾は徐々に麻酔がかかっていく仕組みだ。今ならまだ意識があるはず。
ニコルはマサヤに駆け寄っていく。俺はというと、ホントにしんどくて歩いて行くのがいっぱいいっぱいだ。
これ絶対に雰囲気で気分が悪くなったやつじゃねえな。ガチな体調不良だ。
「マサヤ……大丈夫か……?」
風邪とかだとマサヤに移るとヤバいので少し離れた場所から声をかけた。
「先生……はじめから……殺す気……無かったんですね……」
「バカだなー。当たり前じゃん。俺たち医者だぞ?ウィンが拳銃持ってることに疑問を持たなかったのか?」
「あ……、そう、でしたね……。やっぱり……俺……だいぶ……弱っているのかも……」
マサヤは目を閉じた。そりゃ当たり前だろ。意識戻っていきなりのこの暴挙。これでぴんぴんしてたら人間じゃないって。
俺たちはマサヤに簡単な手当を施して、病院に連絡した。やっぱり塞いだ傷は見事に開いていた。こいつ、どんだけ体力あるんだよ?
ま、とにかく。今は麻酔のせいで寝てるし、救急車来るまで待ってるか。
「なあウィン、お前すげー顔色悪いぞ。大丈夫か?」
救急車を待っている間、ニコルが心配そうに声をかけてきた。
「いいや……。全然大丈夫じゃない……」
これはヤバいぞ……。医者の不養生ってこういうことを言うんだろうな……。
「こんなんマサヤに移したら……絶対アイツ死ぬし……」
「そうだな、ヤバいな。アイツ、暴れたせいでだいぶ体力も落ちてるみたいだし。お前気をつけろよ?俺も注意しとくからさ」
「おう……」
やってきた救急車にマサヤを乗せ、俺たちもついでに乗り込む。
「あの……ジャーナル先生、すごく顔色が悪いんですけど……大丈夫ですか……?」
ほとんど面識のない救急隊員にまでも言われてしまった。俺としては、返事をするのも億劫になるほどヤバい状況なんだが……。
「……めっちゃだるい……。帰ったら部長に診てもらった方がいいかもしんねぇ……」
そうだ。病院に着いたらマサヤのことはニコルに任せよう。そして俺は嫌だけど……部長に診察してもらわなければ。
うつしたりなんかしたら笑い事じゃ済まされねえ……。




