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事故現場・多数の死者とたった一人の生存者
「これは酷いな……!」
警察は大量殺戮の現場を見てつぶやいた。
真っ赤な床にたくさんの人間が倒れている。
「兵器の暴走か……で、その兵器はどこに?」
「現在、捜索中です」
「……そうか」
この場の責任者であろう警察官は、白い手袋をして、捜査を開始した。
「こんな状態じゃ生存者は絶望的だろうな……」
彼の想像した通り、倒れていた研究員21人の死亡が確認された。
「全員死亡、か。これじゃ事故で処理するしか……」
「ソレル警部!たた、大変です!」
部下の一人が何かを発見したらしい。
「どうしたんだ!?」
「生存者が見つかりました……!!」
「なっ、何だって……!?」
警部と呼ばれた彼は部下の元へ向かう。
そこには、研究員と同様に全身血塗れの、おそらく20歳にも満たないであろう青年が倒れていた。
警部は青年の脈を調べる。確かに、辛うじてだが生きていた。
「すぐに近くの病院に搬送するんだ!急げっ!」