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生命の行方・第一部  作者: 杉谷ゆぬの(果樹)
第2章・俺を救ってくれた人たち
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いたずらされたあとの俺とロナさん

イラッとしながら鏡をのぞいていると、部屋のドアをノックする人がいた。返事をする間もなくその人は部屋に入ってくる。

俺はとっさに右腕を布団から出して額を隠した。もちろん、痛いのを我慢して、だ。

「あ、意識戻ってたんだ。大丈夫?私、あなたの担当ナースのロナっていうんだけど……聞いてる?」

どうやらロナさんは俺が鏡をどかさないことを不審に思っているらしい。

「あっ、はい……。聞いてます、大丈夫、です……」

「そう……?ならいいんだけど……何で顔隠してるの?」

「えっ……と、それは……」

俺は簡単に落書きされたことを説明した。

「……何ですって?」

それを聞いたロナさんは一瞬、言い表せないような怖い顔をした。

「……!」

俺は思わずビビる。

「あ、ごめん。一瞬怖い顔しちゃった。じゃあ、落書き落としちゃいましょ。鏡と手、どかしてくれる?」

「……」

なんか、笑われそうでいやだ。

「……じゃあ、自分で落とす?見られるのが恥ずかしいんでしょ?」

ロナさんは布巾を俺に渡してきた。それを受け取って、コシコシ額の落書きを落とす。

……アイツ、油性ペンで書きやがった……。消えねえし……。

落書きが全部落とし終わった頃、ロナさんは言った。

「でも、元気そうね。熱とか無いし、傷が化膿してるとかも無いでしょ?」

「はい。たぶん……」

なんか、落書き落とすので疲れちゃったな……。やっぱり……まだ体力的にはきつかったかも……。

「もしかして、疲れちゃった?邪魔なら私、ちょっとニコルを叱ってくるけど」

「……」

うぅぅ……。いきなり睡魔が……。瞼が重いぃ……。

「スギサキくん?」

「うぁ……は、はいっ……」

声をかけられたので思わず反応してしまった。その様子を見たロナさんに笑われる。

「うふふっ。眠いんでしょ?寝てていいわよ。ちゃんと起こしに来るから」

「はい……」

いつ……起こしに来てくれるんだろう?まあ……、いいか……。今は、寝よう……。

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