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エピローグ 『音響』
世界に今日も懐中時計の音が響く
1つ、また1つ、世界に時を刻んでいく
懐中時計の音が、静寂をゆっくりと満たしていく。 それは、彼が去ったあとの世界で最初に生まれた音だった。
――私は、かつて人と共にあった。
女の声が、誰もいない空気の中に染み渡る。 それは風のようでもあり、記憶そのもののようでもあった。
喧騒の街では、光がまだ踊っている。
止まった街では、風が息づいている。
忘れ去られた街では、編みかけの毛糸がゆれている。
人の姿は、もうどこにもない。 けれど、世界のすべてに“手の跡”が残っている。
「彼らは消えたのではない。 この世界の中に、溶けていった。 呼吸となり、光となり、 いまも時を刻み続けている。」
懐中時計の音が、再び響く。それはもう、誰のものでもない。
世界が呼吸を続ける音だった。
ここまで読んでいただいた皆様、本当にありがとうございました!
初めての作品でしたが、いかがでしたでしょうか?
この作品は冒頭でもアナウンスしたように、ある画像の制作過程から生まれ、意見交換をし紡がれた物語です。
少しでも皆様の心に刺さるシーンがあればと思います!
それでは皆さん!次回作でお会いしましょう!




