表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/28

第十四話 ロックバーンデッキを攻略せよ

 灼熱の業火のダメージによって悲鳴をあげているユウを、カミラはいやらしい笑みを浮かべながら見つめている。


「はぁ……はぁ……。大丈夫だよ、アシュリー。君はカミラに集中して」


「でも……」


「これで、カミラのデッキからカードが2枚墓地に送られた。ボクがダメージを受けた分、有利になったよ」


「ふぅん。強がるのねえ。まあ、いいわ。デッキからカードを2枚墓地に送るのは確かに痛手だけど、私はキャラクターカードを削って限界までバーンカードを積み込んでいるから関係ないの。ああ、君のその顔。最高だよ。これから、もっと痛みを与えてあげるからねえ」


 その後も、重力の罠の効果によってユウはカミラを攻撃することができない。カミラはそんなユウを直接攻撃できるマジックカードで一方的に攻撃し続ける。


「あああああぁっ!」


「ユウ、あなたが苦しむ姿、私、もう見てられないよ……」


 アシュリーは手で顔を覆って泣き出しそうになる。


「大丈夫だよ、アシュリー。ボクを信じて!」


「ふふ、それだけダメージを受けても諦めないのねえ。えらいえらい。でも、もうあなたたちに勝ち目は無いわ」


「それはどうかな? カウント2でキャラクターカード展開。魔導ゴーレム」


 ◆キャラクターカード【魔導ゴーレム】

 HP:400 スピード:2 ウエイト:9

 パッシブスキル:自己再生

 カウントダウンフェーズ終了時、このカードのHPを100回復する。

 アクティブスキル:かばう【即時発動】

 このカード以外の対象が攻撃を受けた時、代わりにこのカードがダメージを受ける。

 属性:地


「あはは、今更キャラクターを出したところで……」


「魔導ゴーレムを出すとは、さすがね、ユウ。これでカミラの攻撃に対処できるわ」

 

 アシュリーの指摘どおり、ユウが魔導ゴーレムをフィールドに展開すると、状況が一変する。ユウは魔導ゴーレムのアクティブスキルであるかばうを使い、ユウ自身へのマジックカードによる攻撃の対象を魔導ゴーレムへと変更する。

 その後、魔導ゴーレムの自己再生のパッシブスキルが発動して、魔導ゴーレムの受けたダメージはすべて回復した。


「くっ、こいつ、ロックバーンのメタカードを持っていたの?」


 先程まで余裕の表情をしていたカミラの顔がこわばる。


「でもね、メタカードの対策をしてないほど、私は甘くないわよ!」


 ◆マジックカード【落雷】

 スピード:2 ウエイト:8

 効果:このカードは手札を全て捨てることで発動できる。対象のカード一枚を破壊する。

 属性:雷


「あはは。私はこのカードで魔導ゴーレムを破壊するわ。そして、私はまた君にバーンカードで直接攻撃する。もう、君のライフも残りわずか。すぐに倒して楽にあげる!」


 落雷のマジックカードで魔導ゴーレムは破壊された。

 しかし、なぜかユウはニヤリと笑う。


「ふふ、手札を全て捨ててしまったのは悪手だったね。カミラ、まもなく君のデッキはカードを引けなくなる。当然、デッキにカードがないとバーンカードも使えなくなる。ボクの勝ちだ!」


「そんなことはわかってる。デッキが切れる前に私がライフをゼロまで削ってやるわ!」


「それはどうかな? カウント1でサポートカード発動。デッキ封鎖」


 ◆サポートカード【デッキ封鎖】

 スピード:1 ウエイト:8

 効果:この効果は1ターンに一度、自分の手札を1枚捨てることで発動できる。お互いのプレイヤーは次のターン、デッキからカードを引くことができない【永続効果】。自分の手札が一枚もない場合、このカードを破壊する。


 ユウは、お互いのデッキからカードをドローすることができなくなるサポートカードを発動した。


「デッキからカードを引けないですって! なにそれ! そんなチートみたいな効果のカード、反則よ!」


 ユウのカードを見たカミラは思わず叫ぶ。しかし、ユウはそんな言葉は無視して、彼女に淡々と語りかける。


「……これでもう、手札を補充できない君は重力の罠のロック効果を発動できない」


 有力なキャラクターカードを展開していなかったカミラは、ユウが展開していたキャラクターの猛攻を耐え切れない。


「アシュリー、最後は君に任せた。君の一撃で勝負を決めてくれ!」


「わかった。これで決める!」


「きゃあああああ!」


 アシュリーの攻撃は彼女のスキルによって2倍のダメージとなり、カミラのライフを削り切った。


 ◇◇◇


「悔しいけど、負けは負けね。さあ、私のカードを一枚選んで……」


 カミラはユウに自身のデッキのカードを見せる。


「ユウ、今回は私がカードを選んでもいい?」


「わかった。君に任せるよ」


 ユウはカードからアシュリーを解放する。

 アシュリーはカミラのデッキの中から落雷のカードを選ぶ。


「今回はこの落雷のカードにしましょう。即時発動ではないけど、どんなカードでも破壊できるのは優秀だわ。手札を全部捨てるコストを払ったとしてもね」

 

 アシュリーの提案に従い、ユウはアンティルールでカミラから落雷のサポートカードを手に入れる。


「ありがとう、アシュリー。今回カミラに勝てたのは、君のおかげだよ」


 ユウはアシュリーを優しく抱きしめる。アシュリーはユウの柔らかい身体の感覚を肌で感じて安らぎを得ている。


「ねえ、ユウ。お願い。もっときつく抱きしめて」


 ユウは言われたとおりにアシュリーを強く抱きしめる。


「ああ、最高。本当に幸せだよ、ユウ。私が絶対にあなたを最後まで勝たせてあげるからね」


 アシュリーに優しくキスをされながら、ユウは彼女と一緒に新しいデッキを作ることを考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ