第十三話 カミラとのデュエル
魔導ゴーレムを封印した次の日、ユウの部屋に黒封筒が届く。
「次の試合が決まったみたいだ。みんな、気を抜かずにいこうね」
次の試合の対戦相手はカミラ=ブライト。お嬢様のような見た目と雰囲気をした女性だ。
◆バトルフィールド《暁の古城》
今回の対戦会場は、すでに廃墟となっている美しい古城。この城の中庭でカミラが待っていた。
「ふふ、あなたがユウね。思ってたよりもずっとかわいい顔をしてるわ。いい勝負をしましょうねえ」
カミラは微笑んでいるが、彼女の目は決して笑っておらず、獲物を狩るような敵意をユウに向けている。
ユウはフィールドにアシュリーを展開する。
◆キャラクターカード【アシュリー=クロフォード】
HP:140 スピード:8↑ ウエイト:3↑
パッシブスキル:『軽装』
このカードのスピードが上昇しウエイトが低下する代わりに、このカードの受けるダメージが増加する。
パッシブスキル:『精密攻撃』
攻撃をする時、一定の確率で敵に与えるダメージが2倍になる。
属性:水
「アシュリー、多分、彼女はとても強い。ボクと一緒に彼女の行動を分析してくれ」
「わかった。何かわかればすぐに伝えるわ」
「あら、あなた、プレイヤーだったアシュリーじゃない。プレイヤーがカードに封印されるなんて屈辱、よく耐えられるわねえ。それに、そんな軽装で戦闘に出されてるし。あなた、マゾなのかしら?」
カミラは軽蔑するような笑みを浮かべながらアシュリーを見つめている。
「カミラ、なんとでも言うがいいさ。ユウは私のことを理解してくれる、最高のパートナーなんだ。ユウのカードになって、私は人生で一番の幸せを感じているくらいだ」
「あはは。あなた、本当にマゾだったのねえ。ふふ、これからあなたをいじめてあげてもいいけど、まずはあなたの所有者をたっぷりとかわいがってあげるわ。そこで見てなさい」
◆サポートカード【重力の罠】
スピード:10 ウエイト:1
効果:この効果は1ターンに一度手札からカードを一枚墓地に送ることて使用できる【永続効果】。
お互いのキャラクターカードはこのターンの終了時まで行動することができなくなる。
「あのカードは!?」
カミラがフィールドに展開したカードを見て、アシュリーは彼女の戦法を理解した。
「ユウ、彼女のデッキはおそらくロックバーンだ。こちらの攻撃を封じて、マジックカードでユウを直接攻撃してHPを削る戦法だよ!」
アシュリーがユウに警告する。
「さすがね、アシュリー。正解よ。私のデッキはロックバーン。そして、このカードが出た時点で私の勝ちはすでに確定したようなものよ。そうだ、私が勝ったらあなたをもらうことにするわ。アシュリー、私がいっぱい可愛がってあげる」
カミラはアシュリーを見つめながら、不敵な笑みを浮かべている。
「アシュリー、心配するな。ボクたちはダンジョンでたくさんカードを集めて、トレードもして、デッキを強化してきたんだ。ボクが必ず君を守る!」
「ありがとう。あなたなら、どんな相手にも勝てるはずよ。ユウ、私も全力で戦うからね!」
「くすくす、ずいぶんと仲がいいのねえ。でも、あなたの攻撃はもう、私には届かないわ。そして、今からあなたのご主人様を痛ぶってあげるから、そこで見てなさい!」
カミラの言うとおり、ユウは強力なロック効果を持つ重力の罠によって、攻撃を封じられてしまっている。
そして、カウントダウンが3まで進むと、彼女はデッキからカードを2枚墓地に捨てることで対象一体に100ダメージを与えるマジックカードでユウを直接攻撃する。
◆マジックカード【灼熱の業火】
スピード:3 ウエイト:9
効果:デッキからカードを2枚墓地に送る。対象一体に100ダメージを与える。
属性:炎
マジックカードの効果が発動して、ユウの身体は激しく燃え上がった。
「ぐぅっ! あぁっ! きゃあぁぁぁっ!」
「ユウっ!」
「あはは。ずいぶんとかわいい声で鳴くのねえ。ゾクゾクしちゃう。もっと悲鳴を聞かせてよ」




