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第十二話 魔導ゴーレムを倒せ

 そしてユウは、ライザのカードを取り出して、彼女を解放する。


「──ようやく私の番が来たようだな」


 ライザはすぐに人間の姿に戻ると、ユウの身体に抱きつく。ライザはそのままユウを押し倒すと、激しく『彼』にキスをする。


「──ユウ、私にも二人にしたみたいにいっぱい優しくしてくれ。ユウが好きすぎて、もう我慢が出来ないんだ」


 ライザが淋しそうな顔でユウを見つめている。ユウはライザにキスをお返しすると、優しく彼女を抱きしめながら、頭を撫でる。


「もちろんだよ、ライザ。しばらくこのままでいよう」


 二人はそのまま手を握り合って、しばらく抱き合っていた。


「そう言えばライザ、君はどうして吸血鬼に追われていたの?」


「突然、私たちの暮らす村が奴らに襲われたんだ。私は、なんとか逃げ出したんだが、奴らはしつこく私を追いかけてきてね。そんな時に、ユウ、君と出会ったのさ。本当に感謝しているよ」


「そんなことがあったんだね。でも、吸血鬼たちはなんでライザたちの村を襲ってきたの?」


「私たち人狼と吸血鬼には昔からの因縁があるんだ。ずっと戦争をしていると思ってもらえればいい」


 ライザが視線を落とす。


「辛かったよね……ライザ」


 ユウがライザを抱きしめる。


「大丈夫だよ、ユウ。君と一緒にいるだけで、今の私は幸せなんだ。これからも、ずっと一緒にいてくれないか?」


 ライザは上目遣いで懇願するようにユウの顔を見つめている。


「君のおかげでボクはここまでこれたんだ。これからも、ずっと一緒にいよう、ライザ」


「うれしいよ、ユウ。ずっと一緒だからね」


 感極まったライザは泣きながらもう一度ユウを押し倒して、優しくキスをした。そのまましばらく抱き合ったあと、ユウはライザの頭を優しく撫でながら、彼女に語りかける。


「アシュリーの話だと、ダンジョンの一番奥にはダンジョンマスターっていうボスが待ち受けているらしい。ライザ、これから二人でそのボスを倒そう」


「ありがとう、ユウ。君とならどんな敵にだって負ける気がしないよ。さあ、行こう」


 ライザはユウの手を握って前へと進んだ。


 二人がダンジョンの最奥の部屋に到着すると、巨大なゴーレムが部屋の中央で待ち構えていた。


「どうやら、このダンジョンのボスはあのゴーレムのようだね」


「ああ。ユウ、ゴーレムにはコアという弱点があるんだ。そこを破壊すればゴーレムは機能停止する。まずは奴の身体から、コアを見つけよう」


 しかし、二人がゴーレムの身体を眺めても、コアらしきものは見当たらない。


「おかしいな。コアが見当たらない。体内にでも隠しているのか?」


「ライザ、多分、ゴーレムのコアは胸の部分に隠されている。そんな気がするんだ」


「勘ってやつか。ユウの勘はよく当たるからなあ。よし、とりあえず胸を攻撃してみよう」


「待ってライザ。ボクも戦うよ。さっきキリアと魔力のコントロールの方法を練習したんだ。魔力の流れをうまく使えば、ボクの身体能力を向上できる気がするんだ」


「早速実戦で試してみようというんだね。それじゃあ、ユウが慣れるまでは私のサポートをしてくれ。慣れてきたら一緒に攻撃するよ」


「わかった」


 ユウは全身の魔力の流れをイメージして、魔力を足に集中させながら地面を蹴る。

 次の瞬間、ユウの身体は自分でも信じられないほど高く飛んだ。


「やっぱり、魔力で強化することで、身体能力は上がるみたいだ。これならボクも戦える」


「もうコツを掴んだのか。さすがだねユウ。君は本当にセンスがいいよ」


「ライザ、ボクが囮になって隙を作る。君はゴーレムの胸の中にあるコアを狙って!」


「わかった。でも無理はしないでくれ」


 ユウはゴーレムの攻撃をギリギリで回避できる距離を保ちながら、敵を挑発している。


 痺れを切らしたゴーレムは魔力を込めた拳でユウに殴りかかる。拳から魔力の塊が飛び出して、ユウにまっすぐ襲いかかる。


「いい攻撃だ。でも、そうくるのはわかっていたよ!」


 ユウは素早く横にジャンプして、攻撃をかわす。そのまま、地面に落ちていた石を素早く拾うと、石に魔力を込めて、ゴーレムに投げつけた。


 石はゴーレムの顔面に正確にヒット。ユウの攻撃を受けたゴーレムの動きが少しだけ止まった。


「今だライザ。コアを破壊してくれ!」


「ああ、任せろ!」


 ライザは一瞬でゴーレムとの距離を詰めると、魔力を込めた爪でゴーレムの胸を突いた。


「グオオオオオオ……」


 ライザの爪に胸を貫かれたゴーレムが、音を立てて後ろへと崩れ落ちる。


「やった! ゴーレムを倒したよ!」


「君のおかげだよ、ユウ。魔力操作を覚えてすぐにあそこまで戦えるなんて、本当に君は天才だよ」


【封印条件を達成しました】


 ◆キャラクターカード【魔導ゴーレム】

 HP:400 スピード:2 ウエイト:9

 パッシブスキル:自己再生

 カウントダウンフェーズ終了時、このカードのHPを100回復する。

 アクティブスキル:かばう【即時発動】

 このカード以外の対象が攻撃を受けた時、代わりにこのカードがダメージを受ける。

 属性:地

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