第75話
それからしばらくして、全国民に自分が正式に金レベルを受けたと知らしめる式典が開かれた。
このときに、同時に自分は今回の国王王妃暗殺計画には関係がないこと、一切そのことについて罪に問わないことが改めて発表された。
金ランク誕生は10年ほど間が空いていたので、それは盛大なものとなった。
最も問題なのは、クルノス、イシーラ、トールムの3人の処遇であったが、彼らは陛下への謀反によって冒険家ランクを褫奪され、永遠に黒ランクとなることが発表される予定だ。
彼らがどうなったのかということは、自分には知る由もない。
「グリーモルよ、こちらへ」
式典では何も考えないようにしていたが、やはり何か思ってしまう。
できればみんなでこのランクに上がりたかったものだと。
「貴殿の国家、国王に対する貢献、忠義の度合いを鑑み、本日付けをもって、貴殿に冒険家ランクとして金を与える。今後とも国家、国王に対する変わらない忠誠を誓うか」
陛下は玉座に座ったままだ。
今自分に話しかけているのは、国王護衛兵総隊長で、侍従長も兼務している人物だった。
「はい、臣グリーモルは、今後とも変わらずに国家、陛下への篤厚の心を持ち続けます」
果たしてどうかな、誰かが心の中で囁く。
そええでも自分は総隊長から金ランクの証となる数々の宝物を、その手で掴んだときにはそんな気持ちも飛んでしまうほどだった。
「此度の忠義は、臣下全員の見本となるものであった。ゆえに、貴殿はその地位へと昇る。ゆめゆめ忘れることなきように、頼んだぞ」
勅語を陛下から直接賜るのも、金ランクの特権だったりする。
「はい陛下。今まで以上に、この度の昇級に報いるよう、全身全霊をもって任務にあたります」
「うむ、頼んだぞ」
そして陛下が拍手を始め、少し遅れて王妃も拍手をする。
そこからは全員の大拍手によって、自分は式典会場を後にすることとなった。
結局、彼らのことはずっと心のどこかで引っかかってはいた。
ただ金ランクとなった以上、今まで以上に仕事が舞い込んできているし、それ以上に国家貢献というものが重くのしかかってきている。
探しに行くのは土台無理な話だった。
風の噂では、彼らはどこかで国王に対して弓引くのを待っているんだということだった。
ただ、それが実現するかどうかといわれたらわからない。
願わくば、彼らと一戦交えることなく、この生涯を終えることを。
そして彼らが幸せであり続けることを。




