73/75
第73話
「陛下っ」
ドカドカと玉座の間に入り込んできた兵士は、国王と王妃の護衛兵だ。
兵士の目にはきっと、敵対する俺らと国王陛下、それと国王陛下を守ろうとして立ちはだかるグリーモルの姿が見えることだろう。
「護衛よ、彼らを排除せよ。彼らは我らに対し謀反を行った。これはその地位を褫奪するに足りるものである」
「国王よ、我らは今一度去る。だが覚えておけ、我らは秘密を知った。貴殿らは世界の敵となろう。そして、世界を連れて、我々は貴殿らを倒しに来る」
かっこつけ、と言われてしまえばそれまでだが、そこで言いきって見せたのは、完全に黒となるための伏線でもあった。
それから、バチンと何かがはじけるような音がして、王宮は消え失せたかのように見えた。
以後グリーモルがどうなったのかについて、俺らは知らない。




