第70話
「それで、その選択肢というのは」
俺は改めて国王へと尋ねる。
「真実を知り、しかしながら永遠にその口を閉ざし、秘密を土の下、さらなる来世へと運ぶことができたのであれば、貴殿らには金のランクを与えよう。当然、それに見合うだけの力量を持っているという証も、すでに立てている」
金ランクは最上ランクだ。
国王の特権の一つとして、国王が与えることができる。
そのランクは数年に1人程度しか出てこず、国王侍従クラスの地位があるとされる。
誰であれ上座を譲る立場になるし、孫の代まで安泰だといわれるほどの高給取りだ。
それに見合う責任は生じるものの、それを上回る特権を得ることができる。
しかし、今やこの秘密を知ったからには、俺はそういう気持ちにはならなかった。
「では、もしも致しかねると申した場合には、いかがなさいましょうか」
「冒険家としてはおしまいだ。それどころか全ての権利権限を剥奪する。そして永久に黒ランクとして巷に流布する」
金が最上であるとするならば、黒は真逆の最低ランクだ。
いかなる国家からの保護も、いかなる民からの援助も断られ、自らの力のみで生きていかなければならない。
またその財産は国庫へと没収され、最低限1週間分の資金のみが手元に残される。
そして国のすべての公職や地位、当然冒険者ギルドなどからも追放となる。
「無論、全員が同じ選択を取れとは言わん。だがこのどちらかをとらなければならん」
国王は併せて伝えた。




