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第62話
王宮は、王都の中心にある。
指輪を見せて衛兵を何人も通っていき、謁見の間の手前まできた。
ここで謁見を行う者らは待機するということになっている。
ただ、待っている人らはおらず、今日は俺らだけしかいないようだ。
「なんだか人が少ない気がするね」
イシーラが壁際にある椅子に座ってから見回していた。
「そうだな、前来た時にはもっともっと人が行きかっていたんだがな」
俺もそのことを考えていた。
明らかに人払いされていることになる。
何かを恐れているのか、あるいは敵が中にいるのか。
それを考える余裕までは、俺に残されてはいなかったようだ。




